GFP抗体

Rockland immunochemicals社では、GFP関連商品を多数取り揃えております。

電子カタログあります
PDFダウンロード【2.9MB】

このたび、Rockland社の最新リソース「Cell Death eBook」の日本語版をリリースすることになりました！
この包括的な電子カタログは、アポトーシス、パータナトス、ネクロトーシス、クプロトーシスなど、
さまざまな細胞死経路を網羅し、そのメカニズムや意義について詳しく説明しています。

ますます多くの細胞死メカニズムが、加速度的に発見されています。その新しい細胞死メカニズムの1つが、Ciesielski氏達によって PLoS Biology誌 2022年4月号に初めて掲載されたエレボーシスです¹。この新しい形の細胞死はショウジョウバエの腸で発見され、「deep darkness」を意味するギリシャ語の έρεβος にちなんで名付けられました。

Enterocyte などの腸管上皮細胞は、常に新しい状態にあります。しかし、この環境では、アポトーシスによる細胞死を検出することは困難でした。Rockland社の抗GFP抗体（品番600-901-215）を用いた新しい手法により、日本の研究者がアンジオテンシン変換酵素の蓄積を特徴とする新たなシグナル伝達経路を発見しました。DAPI、Hoechst、GFP、RFP を用いた染色解析では、DNA の染色が弱いことがあり、蛍光タンパク質の染色はこの過程で徐々に失われていくことがわかりました。シグナルの消失は、細胞質GFPから始まり、核GFP、そして最後に核RFPとなりました。この観察から、これらのタンパク質は変性しているのか、分解されているのかという疑問が浮かびました。幸い、この疑問には、変性したタンパク質は検出するが、分解したタンパク質は検出しないGFP抗体やRFP抗体を使えば、簡単に答えることができました。論文で示された他の実験と一致し、シグナル消失が分解によるものであることが証明されました。さらに、平らな核と、細胞骨格および細胞小器官の喪失が、エレボ−シスの特徴に加わります（図を参照）。エレボーシスは、正常な生理学的条件下で腸細胞フラックス (enterocyte flux) を可能にする調整された細胞死メカニズムであると推測されています。

エレボ−シスでは、GFP や RFP が徐々に失われていく様子が観察されるため、蛍光タンパク質やそれを標的とした抗体は、この新しい形の細胞死を研究する上で多用途なツールとなります。また、これらのツールを活用することで、さらに多くの細胞死経路を発見することができるかもしれません。Andreas Bergmannがエレボ−シスの初出版の解説で以下のようにまとめています。"細胞死は十数種類知られていますが、この分野では明らかにまだ発見すべきことがあります。(Although there are over a dozen types of cell death known, there is clearly more to discover in this field.)"²

図1. Rockland社の抗GFP抗体 (品番600-901-215) を用いた (A) GFP陰性および (B) GFP陽性細胞の免疫電子顕微鏡観察
(A') および (B') の矢印は、GFP 細胞におけるGFP 標識がまばらであることを示す。 (A'') エレボーシス細胞は、(B'') GFP+ 細胞と比較して、微絨毛が短くミトコンドリアが少ないことを示す。 (Ciesielsi et al. の CC BY 4.0 で使用されている画像)

※  表示価格について