mRNA-seq用のcDNAライブラリを調製するキットです(イルミナ社次世代シーケンサーに対応)。本キットは、従来のcDNAライブラリ調製キットと異なり1つの転写産物の3'末端付近に対して1断片のみを逆転写するため、「コスト・時間・サンプルを選ばない・解析の容易さ」どの点においても優れています。
Version2より付属するUnique Dual Indices (UDI12, 特許取得済)を使用することで、よりシーケンスのミスリードを減らすことが可能になりました。UDI12ライブラリと旧UDIライブラリ(Version1)との変更点についての詳細はFAQをご確認ください。
- Lexogen社 QuantSeq 3' mRNA-Seq Library Prep Kit (FWD)/(Version1)はこちら
- Lexogen社 QuantSeq 3' mRNA-Seq Library Prep Kit (REV)はこちら
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原理
本キットは、1つの転写産物あたり1断片のみを作成するため、シーケンス解析の際にリード数を抑えることができます。これにより、解析コストの低減と解析時間の短縮をすることができます。また、転写産物あたり1つの断片しか生成しないため、極めて正確な遺伝子発現値を得ることができます。解析データ数を減らせるうえに、シーケンスで読み取る配列の数(リード数)が減るためデータ解析が簡単になります。加えて、転写産物の3'末端付近のみを増幅するため、サンプル劣化による転写産物断片化の影響をほぼ受けません。そのため、FFPEサンプルなどのRIN 値※1や DV200 値※2の低い、劣化(断片化)したサンプルでもシーケンス可能です。
よって、「コスト・時間・サンプルを選ばない・解析の容易さ」どの点においても優れています。
※1 RIN値:RNA分解の指標。1〜10段階で、1に近いほどRNAの分解が進んでいることを表している。
※2 DV200値:測定したRNA中に200塩基以上のRNA断片が存在する割合。数値が低いほどRNAの断片化が進んでいることを表している。
図1. cDNAライブラリ作製-従来品との比較