SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の多重変異を特徴とする変異株は、発生国を基に 3 系統[英国 VOC-202012/01(B.1.1.7)、南アフリカ 501Y.V2(B1.351)、ブラジル 501Y.V3(P.1)]が報告されています。
N501Y は、これら 3 系統の変異株に見られる変異であり、伝染性の増加に関係しています。
E484K は、501Y.V2 および 501Y.V3 を含む変異株に見られる変異であり、SARS-CoV-2 を中和するモノクローナル抗体からの逃避変異であると報告されています。(2,3)
さらに南アフリカ型とブラジル型は 417 番目のリジンがそれぞれアスパラギン、チロシンに置換されています。
別売試薬ヒト ACE2 蛋白・His タグ(品番:HAK-ACE2_UL-1)を 96 穴プレートに固相し、本試薬 SARS-CoV-2 変異スパイク蛋白 RBD(K417T, E484K, N501Y)・ウサギ Fc タグ(品番:HAK- SPDBR_UL-1)を加え、HRP 標識した抗ウサギ IgG 抗体で検出させることで、高感度なバインディング・アッセイを提供します。
製品情報
図1 SDS-PAGE
タンパク質構造 |
SARS-CoV-2 変異スパイク蛋白 RBD(K417T, E484K, N501Y)・ウサギ Fc タグ(品番:HAK-SPDSB_UL-1) は、SARS-CoV-2 Variant Spike glycoprotein Receptor-binding domain(K417T, E484K, N501Y)の Arg319-Phe541 の C 末端にウサギ IgG1 Fc タグを付けて HEK293 細胞で発現させ、プロテイン A カラムを用いて精製したものが含まれています。 |
純度 |
>95%(SDS-PAGE) |
組成 |
SARS-CoV-2 変異スパイク蛋白 RBD(K417T, E484K, N501Y)・ウサギ Fc タグ 1mg/mL
0.1M-PBS (pH7.2~7.4) |
保存 |
凍結融解の繰り返しは避けてください。製品は受領時に-70℃以下で保管して下さい。使用時に小分け分注を推奨します。 |
SDS-PAGE |
本製品 500ng を 4~20%グラジエント・ゲルで電気泳動し、CBB 染色した。 |
使用例
- バインディング・アッセイ
- 固相化した 1µg/mL のヒト ACE2 蛋白・His タグ(100µL/ウェル)に 4.12 - 3000ng/mL のビオチン化 SARS-CoV-2 変異スパイク蛋白 RBD(K417T, E484K, N501Y)・ウサギ Fc タグを結合させ、HRP 標識アビジンで検出した。この際の検量線において、線形範囲(リニアレンジ)は 4.12- 333.3ng/mL であった。

図2 バインディング・アッセイ
従来株もご提供しています。こちらをご参照ください。