糖質測定キットは、フェノール硫酸法に基づいてサンプル内の総糖質(炭水化物)を測定します。
背景
炭水化物(糖質)の測定方法について
炭水化物(carbohydrates)は、酸素、水素、炭素で構成される分子です。典型的な糖質は、水素原子と酸素原子を 2:1 の比で含みます(まるで水分子(H2O)のように)。
生化学分野では、炭水化物(carbohydrates)と糖質(saccharides)は同義的に扱われ、糖、デンプン、およびセルロースのことを表します。糖質(saccharides)は、さらに、単糖類、二糖類、オリゴ糖および多糖類に分類することができます。一般的には、低分子の単糖類(グルコースなど)と二糖類(スクロース、ラクトースなど)は、糖(sugars)と呼ばれています。炭水化物は、生物において非常に重要な役割果たしており、例えば、エネルギーの貯蔵、補酵素や遺伝物質(DNA/RNA)を構成する一部、構造的な役割を有します。
総糖質濃度の測定は、食品業界や医薬品研究、石油業界、環境調査などいくつかの分野で重要です。総糖質量の検出には、光散乱法や核磁気共鳴法、キャピラリー電気泳動法、赤外分光法およびクロマトグラフィー法が使用されてきましたが、これらの技術は時間とコストがかかり、複雑な分析技術を必要とします。Cell Biolabs社では、血清、血漿、ライセート、尿、細胞培養上清および食品試料中の総糖質(炭水化物)量を、96ウェルプレートフォーマットで簡単に測定可能な比色アッセイを提供しております。
特長
- 血清、血漿、ライセート、尿、細胞培養上清および食品試料中の総糖質量を比色測定
- 検出限界:約0.0625 mM
- グルコーススタンダードが付属
構成内容
- 10X Assay Buffer
- 100X Diluent
- Glucose Standard
アッセイ原理
糖質は、硫酸を添加することでフルフラール(Furfural)とその誘導体に加水分解されます。次いでこれをデベロッピング溶液と反応させることによって比色生成物が形成され、490 nmで測定します(図1)。
図1.糖質測定キットのアッセイ原理
プロトコール
- キット使用前に全ての試薬を混合、調製してください。
(サンプルおよびスタンダードの各試料は二連または三連でのアッセイを推奨します。) - 透明な96ウェルプレートまたはマイクロ遠心チューブに、グルコーススタンダードまたは測定サンプルを30 µL 加えます。
- 濃硫酸 150 µL を各チューブまたはウェルに添加します。90℃で15分間インキュベートします。
- 4℃に移し、2〜3分間静置します。
- チューブにサンプルが入っている場合、この時点で96ウェルプレートに慎重に移します。
- バックグラウンドを決定するために、OD 490 nm でサンプルを測定します。
- デベロッピング溶液 30 µL を添加し、オービタルシェイカー上で5分間混合します。
Note: Developing Solution contains a diluted form of phenol. Avoid inhalation or contact with skin. - シグナルの測定のために、OD 490 nm で再度読み取ります。
- OD値(ステップ8)とOD値(ステップ6)の差を求めます。
使用例
図2.グルコーススタンダードカーブ
図3.糖質測定キットを用いて、ヒト血清中の総糖質量を測定
糖質測定キット(Total Carbohydrate Assay)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Total Carbohydrate Assay Kit![]() |
CBL | STA-682 | 100 ASSAY |
¥146,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について