RISCから機能性small RNAを単離 TraPR Small RNA 単離キット

TraPR (Trans-kingdom, rapid, affordable Purification of RISCs) small RNA単離キットは、機能性small RNAを単離するキットです。カラムを用いてRISC（RNA-induced silencing complex; RNA誘導サイレンシング複合体）と呼ばれるRNA-タンパク質複合体の画分を調製後、フェノール・クロロホルム法でsmall RNAを単離します。様々な生物種（真核生物）やサンプルタイプにご使用いただけます。

• 生理的に重要な機能性small RNAを単離
• カラムを用いた手法で操作は簡便
• 様々な生物種（真核生物）やサンプルに使用可能
• 再現性の高い結果が得られる
• 単離したSmall RNAはRNA-seqなどの実験に使用可能

• TraPR Lysis Buffer
• TraPR Elution Buffer
• TraPR Columns
• Carrier Substance
• Sodium Acetate
• RNA Elution Buffer

お客様にてご用意いただく試薬

• Phenol solution pH 4.3
• Chloroform
• Isoamylalcohol
• Isopropanol
• 80 % Ethanol

細胞または組織を溶解し、TraPRカラムにロードすると、遊離しているRNAやDNAはカラムに保持され、small RNAやAgoタンパク質から成るRISC（RNA-タンパク質複合体）は溶出されます。この RISC 画分からフェノール / クロロホルム法により small RNA を単離します。得られた small RNA は、様々な分子生物学実験や次世代シークエンス解析に使用可能です。

図1．TraPR Small RNA単離キットの原理

抗体を用いてAgoタンパク質を免疫沈降する手法は高い特異性で機能性Small RNAを単離可能ですが、抗体の交差種に依存する、コストが高い等の短所があります。また、スピンカラムを用いたSmall RNA抽出法は安価で簡便ですが、約 200 塩基以下のRNAをすべて回収するため、RNA分解により生じた断片も含まれる可能性があり、RISCに取り込まれた機能性Small RNAを解析するうえでは最適ではありません。
TraPRは様々な生物種に対応しており、カラムを用いて簡便にRISC画分を調製、Small RNAを単離可能です。

短時間、簡便、高特異性

TraPR では、簡便なカラム精製（15 分）とそれに続く RNA抽出（1 時間）により、機能性 small RNA を RISC から単離可能です（図 2）。時間のかかるゲル抽出や免疫沈降は不要です。TraPR Small RNA Isolation Kit は生理的に重要な機能性 small RNA を効率良く抽出し、解析する画期的な方法です。次世代シークエンスに適した small RNA の調製が可能ですので、従来の手法では解析が難しいとされていたサンプルからも再現性の高い結果が得られます。

図2．TraPR は small RNA の 解析コストを削減できる
TraPR では、1 時間 15 分で機能性 small RNA を単離可能。一般的な small RNA 抽出キットは非常に迅速だが特異性は望めない。ゲル抽出や免疫沈降では特異性は上がるものの、実験に 1 〜 2 日要する。

TraPRカラムを用いて、細胞や組織の溶解液からRISC画分を調製します。RISC画分の調製に要する時間はわずか15分です。調製したRISC画分から、フェノール・クロロホルム法を用いてsmall RNAを単離します。得られたsmall RNAは、次世代シークエンス解析等の様々な解析にご使用いただけます。

図3．TraPR Small RNA単離キットのワークフロー

TraPR Small RNA Isolation Kit では、piRNA、siRNA、miRNAを含む RISC-associated small RNA をカラムを用いて回収し、その後、機能性 small RNA のみ単離し、ライブラリ調製に用います（図 4）。このように、シークエンスリードを機能性 small RNA に向けることで small RNA-Seq のコストを抑えることが可能です（図 5）。

図4．TraPR は機能性 small RNA を濃縮する
Arabidopsis thaliana について、従来の手法で調製した total RNA と TraPRを用いて単離した small RNA について、NGS ライブラリを調製しシークエンス解析した。マップされたリードのサイズ分布および small RNA タイプを示す⁽¹⁾。

図5．TraPR は small RNA の 解析コストを削減できる
従来の抽出法で調製した RNA サンプルでは、機能的な small RNA にマップされるリードは総リードのうち約 40% だ が、TraPR で単離したRNAサンプルでは、リードのほとんどが機能的な small RNA にマップされる（図4も参照）。1レーンあたりより多くのライブラリをプールすることが可能で、その結果、サンプルあたりの全体的なコストが減少する。

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