Enzo Lifescience社：ユビキチンレムナントプロファイリング

• EnzoLifescience社　ユビキチン＆UBLシグナリング

　哺乳類のユビキチン/ ユビキチン様タンパク質 (Ubl) カスケードには、約10 種類の活性化酵素、約20 種類の結合酵素、そして800 種類以上のリガーゼが存在しています。これらの多様な構成要素が階層的に働いています。ユビキチン/Ubl による修飾は E1、E2、E3、基質、脱結合酵素の正しい組み合わせが一斉に働く必要があります。Ubl カスケードでは、ユビキチンカスケードほど構成要素が多くなく、よりシンプルです。基質へのユビキチンやUbl の結合は通常下記 3 つのステップからなります。(図1）

   ・ステップ1：特異的な活性化酵素（E1）により触媒される活性化段階で、ユビキチンあるいはUblsのC末端が次に起こる反応のために活性化されます。
   ・ステップ2：ユビキチンあるいはUblsをE1酵素から転移させ、結合酵素（E2）と共有結合させます。
   ・ステップ3：連結酵素（E3）がユビキチンあるいはUblsをターゲットタンパク質のアミノ基に転移します。

E2/E3の相互作用がユビキチンあるいはUblsのターゲットタンパク質を指定し、特異的な生理機能を決定します。in vitroでこれらパスウェイステップを構築するには高純度・高活性のリコンビナント酵素を使用することが重要です。

■ 製品ラインアップ

• 活性化酵素 (E1s) ；タンパク質、抗体
• 結合酵素 (E2s)；タンパク質、抗体、レギュレーター
• リガーゼ (E3s)；タンパク質、抗体

　脱ユビキチン化酵素 (DUB) は、翻訳後に形成されたモノユビキチン、マルチユビキチン、ポリユビキチン化付与にみられるイソペプチド結合を含むユビキチンC 末端のペプチド結合、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合を加水分解する酵素です。DUB はユビキチン/Ubl が介在する細胞内過程を調節をしています。真核生物や原核生物、ウイルスなど多岐に渡って保存されていることから、重要な構成要素であると考えられています。　哺乳類では80 〜 90 の脱ユビキチン化酵素 (DUB) が存在し、これらは以下5 つのサブファミリーに分けられています。

   ●ユビキチンC末端加水分解酵素 (UCHs)
   ●ユビキチン特異的ぺプチダーゼ (USPs)
   ●卵巣腫瘍 (OTU) ドメインタンパク質
   ●マチャド・ジョセフ病 (MJD) タンパク質
   ●JAMM (Jab1/MPN domain-associated metalloisopeptidase) ドメインプロテアーゼ

殆どのDUB は触媒ドメイン 1 つを持ちます。この触媒ドメインの配列はサブファミリー内で類似しており、構造はサブファミリーを超えて類似したものです。また触媒ドメインの N 末もしくは C 末 ( あるいは両方) に触媒とは無関係な配列を持ちます。これらのフランキング配列は基質結合を仲介していることが示されており、全てのDUB において基質結合ドメインとして機能していると考えらています。それは、触媒コアと共に、異なるユビキチン- ユビキチンイソペプチド結合に結合特異性、切断特異性をもたらします。殆どのDUBは触媒モチーフの配列類似性によってのみ同定されており、その機能情報は解明されていません。わずかなDUB でのみ、それらが相互作用して脱ユビキチン化する特定のタンパク質が判明しています。しかしながら、DUB が標的タンパク質に結合することで、または他の巨大分子複合体と会合することで基質を獲得しなければならないことが徐々に明らかになってきています。脱ユビキチン化の調節/ 特異性は、DUB とこれらタンパク質パートナーとの会合から生じます。脱ユビキチン化酵素の中には重要な調節機能を担っているという詳細なデータが提供されているものもあり、ユビキチン/Ubl 関連疾患への潜在的な薬物候補とされています。

■ 製品ラインアップ

• 脱結合酵素 (DCEs)：タンパク質
• 脱結合酵素 (DCEs)：基質、阻害剤
• 脱結合酵素 (DCEs)：抗体

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