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ヒト間葉系幹細胞(hMSCs)用ゼノフリー分化培地 -MSCgo™ XF-

ユーザーレポート

加冶屋 幹人 先生

加冶屋 幹人 先生
Mikihito Kajiya

広島大学大学院歯周病態学研究室 助教

Products

メーカー:Biological Industries Ltd. メーカー略号:BLG

SSJ_logo.gif こちらをつかってみました!

MSCgo™ ゼノフリー骨分化培地

ヒト間葉系細胞(hMSC)を骨芽細胞に分化させるためのゼノフリー(xeno-free:異種成分不含)・無血清(serum-free)の完全培地です。

MSCgo™ ゼノフリー軟骨分化培地

ヒト間葉系細胞(hMSC)を軟骨細胞に分化させるためのゼノフリー(xeno-free:異種成分不含)・無血清(serum-free)の培地およびサプリメントです。

実験内容

 間葉系幹細胞(MSCs)は自己増殖能・多分化能を有し、骨髄や脂肪組織等さまざまな結合組織から比較的容易に分離可能であるため、再生医療における有効な細胞ソースとして期待を集めている。特に、リウマチや歯周炎などの骨破壊疾患にたいして、患者自身の MSCs を分離・増殖させ、患者に移殖する骨再生療法開発の基礎・臨床研究が盛んになされてきた。
 その結果、未分化な状態の MSCs 移殖に比べ、ある程度分化段階を事前に調整した MSC の移殖が、速やかな膜性骨化もしくは軟骨内骨化をへて骨再生を効果的に誘導することが明らかになりつつある。実際に、私たちが樹立した MSCs と細胞自身が産生した細胞外基質(ECM)から構築される間葉系幹細胞集塊 clumps of MSCs/ECM complexes (C-MSCs) においても、事前に骨分化誘導を施したものの移殖が効果的な骨再生を促進することを報告してきた。
 上述した MSCs の培養・分化誘導には、ウシ胎児血清(FBS)や患者自己血清を用いることが多い。しかし、FBS はロット間に成分のばらつきがあるため、その効果の再現性に問題がある。さらに、臨床応用の観点からすると、異種動物蛋白の使用は安全性に問題がある。また、患者自己血清はその採取が大きな患者負担ともなる。したがって、今後、再生医療研究においては、無血清(serum-free)・異種動物蛋白不含(xeno-free)条件での培養が求められるようになる。
 そこで、コスモ・バイオ社から販売されている serum-free/xeno-free 培地である MSCgo™ Osteogenic XF 培地および MSCgo™ Chondrogenic XF 培地で、C-MSCs の骨分化誘導および軟骨誘導を行った。その結果、MSCgo™ Osteogenic XF 培地による誘導では Alizarin Red に濃染する骨分化が観察され(図1A)、MSCgo™ Chondrogenic XF 培地による誘導では Safranin O に濃染する軟骨分化が確認できた(図1B)。さらに、SCID マウス頭蓋冠欠損モデルに MSCgo™ Osteogenic XF 培地で前処理した C-MSCs を移殖したところ、移植された細胞が骨分化を生じながら効果的な骨再生を達成できることを見出し、論文にまとめた(Motoike et al., Int J Mol Sci, 2019, 20(16), 3970)。

XF条件での骨・軟骨分化誘導の検討
図1. XF 条件での骨・軟骨分化誘導の検討
ヒト骨髄由来 MSCs を集塊化させた後に、(A) MSCgo™ Osteogenic XF によって骨分化誘導を、(B) MSCgo™ Chondrogenic XF によって軟骨分化誘導を XF 条件で施した。(A) Alizarin Red に濃染する骨分化と、(B)Safranin O に濃染する軟骨分化が誘導されているのが観察できた

 以上の実験を通じて、私たちは、MSCgo™ XF 培地が 1) 強い誘導効果を発揮すること、2) 極めて高い再現性を有していることを感じている。この2点は、基礎研究の確実な遂行のために非常に重要な要素である。さらに、serum-free/xeno-free 条件での細胞性質の制御は将来の臨床応用のためにも有益である。したがって、この MSCgo™ XF 培地は、MSCs を用いた組織再生療法開発の基礎研究・臨床研究のいずれにおいても幅広く利用されるようになると感じている。


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