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Q&A

記事ID : 43734

Ludger社 DMB シアル酸ラベリングキットについて

【商品詳細】

【01】余った試薬を保存しておくことは可能ですか?

試薬開封後は品質の保証ができないため、余った試薬の保存はおすすめできません。試薬はアンプル内で遮光・不活性ガス雰囲気下で保存されています。一度アンプルを開封すると、空気中の酸素による還元剤の劣化や光の曝露によりラベリング効率の低下などが起こります。これらの影響により、実験結果の確度が低下すると考えられますので、メーカーでは新品の使用を推奨いたします。

【02】○○バッファーは分析に悪影響を及ぼしますか?

タンパク質用に用いられる一部の緩衝材や塩は、シアル酸分析の際に悪影響がある場合があります。これは、緩衝液が酸加水分解中の溶液の酸性度に影響を起こすためです。ただし、この影響はバッファー量とサンプル濃度に依存して変化します。例えば、PBSの場合、サンプル濃度が1 mg/mL以上の溶液で50-200 µg程度の量であれば、悪影響を及ぼさないと考えられます。影響があるかについては、実際に使用する際にバッファーのみのブランクをコントロールに用いて、バッファーの影響をお客様自身で確認していただくことを推奨いたします。

【03】糖タンパク質溶液に酸を加えたところ、溶液がゼラチン状になってしまいました。対処法はありますか?

同様のケースはメーカーでは2パターンが確認されています。

  • ケース1:サンプル中のタンパク質の量が多い場合
    1の対処法:酸処理後に濃度が濃いことが原因として考えられます。このケースではサンプル調製時の出発サンプル量を少なくすることで解決しました。参考までに、本アッセイはタンパク質が50-200 µg程度であれば測定可能です。
  • ケース2:特定の緩衝剤と相性が悪い場合
    2の対処法:特定のバッファー条件でタンパク質濃度が上昇することが原因として考えられます。このケースではシアル酸放出前にバッファーを水に置換することで解決しました。バッファー交換には、10 kDaの遠心濃縮用限外ろ過デバイスを用いています。

【04】サンプルの酸加水分解中にシアル酸の分解は起こりますか?

本アッセイはシアル酸の放出時なるべく分解する量は最低限になるよう、論文をもとに条件検討を行い、マイルドな酸加水分解条件(2M-酢酸、80℃、2時間)で設計されています。

【05】サンプルがIgG抗体で、シアル化レベルが低いです。使用するキットの試薬の量を変えずに測れるサンプルの最高濃度はどのくらいですか?

IgGのシアル酸分析で、メーカーの知見では、出発サンプル量が50-1000 µgの間で条件検討を行い、200-600 µgが最適量だと確認いたしました。そのように実験を行う際は、試薬を増やす必要はございません。また、サンプルのシアル化レベルが低い場合は、ガイドに示されています通りに、LCの際には希釈せずにご使用ください。

【06】プロトコルでは、タンパク質を2M酢酸に25µLに溶かし、そのうち5µLしか実験に使用しないとのことですが、なぜでしょうか。

サンプルをしっかりと溶解させるために溶液量を25µLに設定しております。その後DMBラベリングを行い、FLR-LCで適切なデータを得るには、5µLで十分なため、このように設定しております。

【07】fetuinを3つに分注して保存し、標準として使用したところ、測定値が基準値を下回ってしまいました。

Ludger社でも同様の現象が確認されています。Standardは分注せず、提供したポットのまま使用することを強くお勧めします。

【08】この方法をFormulation bufferなど複雑な系に適用できますか?

多くのFormulation Bufferに対してこの方法を使用してきましたが、問題が発生したことはありません。ただし、干渉がないとは保証できませんので、常にバッファーのみのブランクを置いて実験してください。

【09】2種類のStandard、 GPEPとFetuinの違いは何ですか?また、実験時はどのように選択すればよいですか?

Fetuin

NANAとNAGAの両方を持つ糖タンパク質です。この標準物質は、メーカーで実施しているDMB アッセイにおいてよく使用されており、数年にわたる過去のデータに基づいて基準を設定しています。

GPEP

二価のジシアリル化糖鎖を持つ糖ペプチドです。これは精製された均一な糖ペプチドで、qNMRを使用して定量されています。このqNMRの値に基づいて合格基準が設定されています。

どちらのStandardにも長所と短所があります。Fetuinは糖タンパク質であり、糖ペプチドよりも目的の試料により近いデータが得られる可能性があります。一方、GPEPは糖ペプチドであり、qNMRで測定されているため、データとしての信頼性がより高いことが長所としてあげられます。
また、Fetuinには両方のシアル酸が含まれていますが、GPEPにはNANAしか含まれていないことも使い分けのポイントとなっております。
Ludger社では常に両方のStandardを使用していますが、どちらを使うかはお客様のサンプルに応じて選択することをお勧めします。

【10】DMBラベリングで、どのプロセスが最も誤差に影響しますか?

このキットを社内で使用する場合、またはクライアントサービスで使用する場合、注意すべき点は以下の通りです。

  1. ラベリングのために、酸放出ステップを行ったサンプルを5µL正確に測り取る。量が少ないため、十分な注意が必要。
  2. ラベル化試薬の添加後、サンプルをよく混合する。
  3. 分析用の LC サンプルを準備するとき、これらのサンプルは慎重に調製し、均一な溶液がLCに注入されるようによく混合したものを解析に使用する。定量に最も影響を与えるプロセスです。
  4. ラベル付けされたサンプルを遮光し、光による劣化から保護する。これは、サンプルがピンク色になる傾向があるので簡単に識別可能です。

【11】なぜ3回解析するのですか?

Ludger社では、信頼できるデータを得るために、常に3回測定を行っています。特に定量分析では、実験者のミスはある程度起こるものです。例えば、ラベル化する際に正確に5µLを測り取れているか、3回実験を行っていれば過誤をすぐに確認できます。


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