商品詳細:
- 【01】 ROS/RNS 色素はどのようなメカニズムで発色しますか?
- 【02】 ROS/RNS 検出キット(品番ENZ-51001-200)で、サンプルを最後の洗浄工程の後保存し、後日顕微鏡観察することはできますか?
- 【03】 ポジティブコントロールの蛍光シグナルが低い。
- 【04】 インヒビターを使用しても蛍光シグナルが低下しない。
- 【05】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) の低酸素検出試薬は酸化反応中に赤い染色を維持しますか?
- 【06】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) はマイクロプレートアッセイに使用できますか?
- 【07】 細胞はどのような条件下で低酸素状態を誘発できますか?細胞は窒素 95%、二酸化炭素 5%で増殖させましたか?
- 【08】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) で染色後、蛍光はどのぐらい維持されますか?
- 【09】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) は生細胞イメージング専用ですか?染色後細胞を固定できますか?
- 【10】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出ミックスの安定性と保存期間はどのくらいですか?
- 【11】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) の低酸素検出試薬と酸化ストレス検出試薬の半減期はどれぐらいですか?
- 【12】 ROS-ID® 低酸素 / 酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) に組織ホモジネートもしくは細胞ライセートは使用できますか?
1. 一酸化窒素(赤色色素)
NO の蛍光検出には o-フェニレンジアミンスキャッフォールドを採用しています。o-フェニレンジアミンスキャッフォールドは NO と空気の存在下でアリールトリアゾールに酸化され、電子の多いジアミンと電子の少ないトリアゾールの間の電子差は NO を同定するための強力なスイッチを提供します。ジアミンを基盤としたこのプローブの重要な性質は、空気にさらされた状態で NO に対して高感度だということです。蛍光トリアゾールはスーパーオキシド、過酸化水素、ペルオキシナイトライトでは形成されないからです。 NO 検出赤色色素と比べ、ジアミノフルオロセイン(DAF)は選択性が低く、NOとペルオキシナイトライトのどちらにも反応しませんでした。Enzo 社の NO 検出赤色色素は、NOとの反応時に不溶性沈殿物を形成するようにデザインされておりDAFで問題となっていた細胞からの色素の流出を防ぎます。
2. ROS (緑色色素)
ROS 検出試薬は、酸化により緑色の蛍光化合物を産出します。この検出試薬は、広範囲の反応酸素種と反応します。フリーラジカルとの反応は蛍光のフリーラジカルを産生するわけではなく、単純に色素が酸化されることにより蛍光を呈するようになります。アッセイの選択性は N-アセチルシステイン(NAC)や様々な ROS 阻害剤の存在下、非存在下での試験で簡単に決定できます。他の阻害剤を用いれることで、シグナルを産生している ROS のタイプ分けも可能です(下図の緑色のカラム)。ROS 誘導体及び阻害剤を用いたENZ社のプロトコールはアッセイの選択性をコントロールさせることができます。
3. スーパーオキシド(オレンジ色色素)
スーパーオキシド検出色素は、酸化によりオレンジ色の蛍光化合物を産出します。この検出試薬は、スーパーオキシドと反応しますが、その他の反応酸素種とは反応しません。スーパーオキシドとの反応は、蛍光のフリーラジカルを産出するわけではなく、単純に蛍光色素が酸化されます。アッセイの選択性は、actinomycin Aのようなスーパーオキシド産生剤及び、Tironのようなスーパーオキシドスカベンジャーの存在下、非存在下での試験で決定されます。
図1. 活性酸素種及び活性窒素種の検出色素チャート
いいえ、できません。マニュアル通り生細胞をすぐに観察する必要があります。
目的の活性酸素種が互いに反応して、予想されるシグナルを減衰させることがあります。 ROS は複雑な相互作用システムです。あるコンポーネントを別のコンポーネントがブロックし、シグナルの減少または増加を引き起こすことがあります。シグナル経路と培地などに含まれるすべてのコンポーネントをチェックしてください。
1. インヒビター濃度が低すぎる、もしくは高すぎる
インヒビター濃度が低すぎると ROS 誘導剤による ROS 産生に作用しないことがあります。またインヒビター濃度が高過ぎると酸化ストレス自体を引き起こし、蛍光シグナルを産生してしまいます。それぞれの細胞に合わせてインヒビターの濃度と前処理時間を最適化してください。
2. 検出のタイムポイントが適切でない
インヒビターの処理時間が長すぎる場合や ROS の誘導剤濃度が高すぎる場合、インヒビター効果が不十分になることがあります。検出時間と ROS 誘導剤の濃度を最適化してください。
3. 顕微鏡のフィルターセットが適切でない
それぞれの蛍光波長に適切なフィルターを使ってください。
- 酸化ストレス検出:フルオロセインと互換性のあるフィルターセット(Ex/Em: 490/525 nm)
- Superoxidate 検出:ローダミンと互換性のあるフィルターセット(Ex/Em: 550/620 nm)
- NO 検出:Cyanine 5と互換性のあるフィルターセット (Ex/Em: 650/670 nm)
ROS-ID® 低酸素/酸化ストレス検出キット (品番:ENZ-51042) はマイクロプレートアッセイでは保証していません。このキットは蛍光顕微鏡とフローサイトメトリーの実験でのみ検証しています。
細胞を95%窒素で増殖させ、 塩化コバルトもしくはデフェロキサミン(DFO)で低酸素を誘発し、測定前まで95%窒素、5% CO2で維持します。
遮光してサンプルを保存すれば、数時間蛍光を維持することができます。数時間後にはバックグラウンドが高くなり使用できなくなります。
色素の性質上、細胞を固定することはできません。
低酸素検出試薬は比較的安定で-20℃で一年間保存できます。凍結乾燥された酸化ストレス検出試薬は、DMFに溶解して-20℃で比較的安定です。DMFに溶解後は酸素を除去するために、アルゴンもしくは窒素を充填することが重要です。この条件化で酸素が完全に置換されると、検出試薬はDMF中で1カ月安定です。安安定性試験によってこのキットは少なくても1年間は安定であることが示されています。
Enzo社では色素の半減期を同定していませんが、どちらの色素も長期間光に曝されていると褪色します。緑色の酸化ストレス検出試薬はサンプルが長期間経過すると蛍光強度が増加し続け、バックグラウンドが高くなります。