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技術情報

アガロースと電気泳動について

記事ID : 15399

1. アガロースとは?


アガロース(agarose)は、寒天生産性を有する海藻から抽出された画分で、寒天のゲル化において大きな役割を担います。

アガロースは、Hysteresis(融解温度とゲル化温度の差)が大きく、分子生物学および生化学の分野で、電気泳動やクロマトグラフィーのような分離作業に最適です。とりわけアガロースはゲル化の温度範囲が32 - 45℃で、融解温度は通常80 - 95℃ですが、特定の用途に向けて製品を調整する場合にはこうした温度を変更することができます。

アガロースは、不活性マトリックスを形成する天然物で、電気泳動、クロマトグラフィーおよび他の分子生物学および生化学技術に使用されます。加えて、アガロースは中性かつ容易に誘導体化されるため、酵素、抗原、抗体のようなタンパク質に容易に結合します。毒性がないことも便利であることの理由です

使用目的

アガロース構造 アガロース構造
 

今日、アガロースは、遺伝子工学、細胞培養および微生物学における核酸分離に不可欠なツールとなっています。

多糖類の構造はガラクタンで、図のように アガロビオース 1-3、 1-4結合によって形成されます。この化学構造により、アガロースは低濃度でも非常に耐久性のあるゲルを形成することができます。

アガロースゲルの網状構造の形成は水素結合によるもので、このことが“加熱すれば溶解する”という熱可逆性につながっています。Hysteresis(融解温度とゲル化温度の差)は他の親水コロイドと比べてもより大きいものとなっています。イオン性基が存在しないためにゲルは中性であり、ゲルの網状構造を通って移動する親水性高分子との相互作用がありません。こうしたことから、ゲルは粒子にとっての効率的なふるいとなります。

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