近年のハイスループットテクノロジーの恩恵で、ライブラリー中に含まれるコンストラクトが正確に定量でき、全体に対する濃縮率が計算できるようになった。おかげで選抜された遺伝子のランキング化ができるようになったのである。さらにその定量性の恩恵の裾野は広がり、選抜群の分離がそれほど厳密でなくても信頼性の高い結果を比較的容易に手に入れることができるようになった。このことは我々遺伝学の研究者にとっては極めて有意義なことである。
一般的に遺伝子スクリーニングは「難しい・運次第」とよく言われる。しかし今後は、このような革新的な次世代型遺伝子スクリーニング法を採用することによって、これまでスクリーニングそのものを不安視していた研究者達が割と容易に高精度の機能遺伝学を展開できるようになるだろう。
最後に、次世代シーケンサー解析でご協力いただいたセレクタ社及びコスモ・バイオ社、佐賀大学医学部においてサポートしていただいた副島英伸氏と八木ひとみ氏、実験補助をしていただいた宮崎仁美氏、それからショウジョウバエの解析でご協力いただいた広瀬進氏に感謝の意を表します。