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チャネル GABA作動性陽イオンチャネル

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GABA-Gated Cation Channel

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2003, Issue 208, pp. tw434, 11 November 2003.
[DOI: 10.1126/stke.2003.208.tw434]

要約 : γ-アミノ酪酸(GABA)は、よく知られた抑制性の神経伝達物質で、リガンド作動性塩素イオンチャネル(GABAA受容体)ファミリーを活性化できる。しかし、カニ、カタツムリ、線虫(Caenohabditis elegans)などのいくつかの系では、Clコンダクタンスの変化によらない興奮性のGABA応答を示す証拠がある。BegおよびJorgensenは、C. elegansにおいて、腸筋収縮機能を喪失させて排便障害を引き起こす原因遺伝子(EXP-1)のクローン化を行った。EXP-1は、2種類の腸筋(腸下制筋および肛門下制筋)で発現し、神経筋接合部に集合してみられるようであった。また、いくつかのニューロンでも発現がみられた。EXP-1は、イオンチャネル型GABA受容体に分類できるタンパク質をコードしており、保存されたGABA結合部位を持ち、予想される膜トポロジーはGABAA受容体に類似している。アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞で発現させた場合、EXP-1はGABAが投与されると内向きの電流を発生させた。イオン置換研究および電流-電圧解析によって、EXP-1は一価の陽イオン(Na+、K+)を透過させるが、陰イオン(Cl-)や二価の陽イオン(Ba2+)は透過させないことが示された。EXP-1の陽イオンチャネルとしての作用と合致するものとして、孔を形成すると予想されているM2ドメインの残基は、陽イオン選択性チャネルの特徴を備えている。したがって、GABA受容体ファミリーを拡大して、抑制性の陰イオンチャネルに加えて興奮性の陽イオンチャネルを含める必要がある。

A. A. Beg, E. M. Jorgensen, EXP-1 is an excitatory GABA-gated cation channel. Nat. Neurosci. 6, 1145-1152 (2003).

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