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メトトレキセートとRasのメチル化:古い薬に新たな技?

Methotrexate and Ras Methylation: A New Trick for an Old Drug?

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 225, pp. pe13, 23 March 2004
[DOI: 10.1126/stke.2252004pe13]

Mark R. Philips

Departments of Medicine, Cell Biology, and Pharmacology, New York University School of Medicine, 550 First Avenue, New York, NY 10016, USA.
*Contact information. Telephone, 212-263-7404; fax, 212-263-3707; e-mail, philim01@med.nyu.edu .

要約 : Rasは、ヒト癌の発生および進行において中心的な役割を果たしている。Rasの機能は、細胞膜と結合する能力に依存している。新生されたRasは、C末端の「CAAX」モチーフに対するファルネシル化、タンパク質分解、カルボキシルメチル化などの一連の翻訳後修飾によって、細胞膜へと向かう。この経路は、抗Ras薬の開発にとって魅力的な標的である。ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が開発され、臨床試験が実施されている。これらの阻害剤の成功により、Rasプロセシング経路の他の2つの酵素に対する薬理学的に有用な阻害剤の開発に関心が寄せられている。皮肉なことに現時点では、もっとも古い化学療法薬の1つであるメトトレキセートが、1つにはRasのカルボキシルメチル化を阻害することによって、効果を発揮する可能性があるようである。

M. R. Philips, Methotrexate and Ras Methylation: A New Trick for an Old Drug?. Sci. STKE 2004, pe13 (2004).

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