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Rac1は、内皮由来の神経栄養活性に不可欠な介在因子である

Rac1 Is a Critical Mediator of Endothelium-Derived Neurotrophic Activity

Research Article

Sci. Signal., 10 March 2009
Vol. 2, Issue 61, p. ra10
[DOI: 10.1126/scisignal.2000162]

Naoki Sawada1, Hyung-Hwan Kim1, Michael A. Moskowitz2, and James K. Liao1*

1 Vascular Medicine Research, Brigham and Women’s Hospital, 65 Landsdowne Street, Room 275, Cambridge, MA 02139, USA.
2 Stroke and Neurovascular Regulation Laboratory, Massachusetts General Hospital, Charlestown, MA 02129, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: jliao@rics.bwh.harvard.edu

要約 : 神経栄養因子を用いた治療の可能性は、適切な組織への浸透が不可能であったため、これまで閉ざされてきた。しかし、脳血管は、神経に近接しているおかげで、神経サルベージ療法の代替標的となり得る。そこで本稿では、マウスの内皮細胞(EC)において、Rac1のヘミ接合性欠損が局所脳虚血後の脳傷害および脳水腫を減弱させることを示す。Rac1+/- ECのマイクロアレイ解析では、ストレス応答遺伝子、基底膜構成要素、および神経の生存に影響する可能性のある神経栄養因子の増加が確認された。これらの発現プロフィールと一致して、内皮Rac1のヘミ接合性は、神経栄養因子アルテミンの発現上昇を介して抗酸化力と内皮バリア機能を高め、傍分泌による神経保護作用を増強した。したがって、内皮Rac1は内皮バリアの完全性と神経栄養作用を促進するための重要な治療標的となり得る。

N. Sawada, H.-H. Kim, M. A. Moskowitz, J. K. Liao, Rac1 Is a Critical Mediator of Endothelium-Derived Neurotrophic Activity. Sci. Signal. 2, ra10 (2009).

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