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ケミカルジェネティックスによって、マウス胚性幹細胞における原始外胚葉形成の活性化因子としてc-Srcが同定される

Chemical Genetics Identifies c-Src as an Activator of Primitive Ectoderm Formation in Murine Embryonic Stem Cells

Research Article

Sci. Signal., 13 October 2009
Vol. 2, Issue 92, p. ra64
[DOI: 10.1126/scisignal.2000311]

Malcolm A. Meyn III* and Thomas E. Smithgall

University of Pittsburgh School of Medicine, Department of Microbiology and Molecular Genetics, 200 Lothrop Street, Pittsburgh, PA 15213-2536, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: mam71@pitt.edu

要約 : マウス胚性幹(mES)細胞には、複数のSrcファミリーキナーゼ(SFK)が存在する。SFK活性を完全に阻害すると、mES細胞の分化が遮断されるのに対して、SFKメンバーのc-Yesを単独で阻害すると分化が誘導される。したがって、mES細胞の運命の調節において、個々のSFKは相反する役割をもつかもしれない。この可能性について検討するために、非選択的SFK阻害薬に対する耐性を付与したSFK変異体を作成した。阻害薬耐性c-Src変異体の存在下では、阻害薬投与に関連する分化遮断が消失し、その結果、原始外胚葉の特性をもつ細胞が形成された。しかし、Hck、Lck、c-YesあるいはFynの同様の変異体の存在下では、そのようにはならなかった。これらの結果は、別個のSFKシグナル伝達経路がmES細胞の運命を調節することを示し、原始外胚葉の形成がc-Srcの活性により調節されることを証明する。

M. A. Meyn, III, T. E. Smithgall, Chemical Genetics Identifies c-Src as an Activator of Primitive Ectoderm Formation in Murine Embryonic Stem Cells. Sci. Signal. 2, ra64 (2009).

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