標識レクチンと共にインキュベートする前に、内因性のペルオキシダーゼ活性をブロックする必要があります。0.6 %過酸化水素(in EtOH)と共に切片もしくはブロットを室温で20分間前処理します。ブロッキング後、推奨バッファーで軽くすすいで下さい。
1. 組織片もしくはブロットを洗浄、ブロックします。精製された牛血清アルブミン(BSA)か脱脂粉乳を、非特異的な結合を防ぐためのブロッキングに使用するこ とをお勧めします。非特異的バックグランドが高くなる可能性があるので、糖タンパク質を含む血清製品は使用しないで下さい。
2. HRP 標識のレクチンを、推奨バッファー(アジ化ナトリウム不含)で1-20 mg/mlの濃度に希釈します。切片もしくはブロットを室温、モイスチャーチャンバーで30-90分間インキュベートします。インキュベートを2-8°Cで行う場合は、やや 長めのインキュベート時間が必要です。推奨バッファーで各5分間、3回すすいで下さい。
3. 説明書に従って、Dye/Substrateを用いて発色操作を行ってください。
注意:下記手順のいずれかの操作を行うことによって、レクチン結合の阻害を防ぐことができる可能性があります。
A. 手順3へ進む前に、レクチン処理した切片もしくはブロットを、inhibitory carbohydrateと共に室温で30-60分間インキュベートする。
B. 切片もしくはブロットをアプライする前に、希釈したHRP標識のレクチンを、inhibitory carbohydrateと共に室温で30-60分間プレインキュベートする。
問題 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
染色がうすい、もしくは染色されない | 1. サンプル上の特異的オリゴ糖の濃度が低い | 1-4の場合 a. インキュベート時間を増やしてください b. (ブロット上の)サンプル、標識レクチン、もしくはDye/Substrateの濃度を増やしてください |
2. 標識レクチンの濃度が低い | ||
3. Dye/Dubstrateの濃度が低い | ||
4. インキュベーション時間が足りない | ||
5. 標識前のサンプル処理が不適当 | a. 切片もしくはブロットを、異なるブロッキング試薬で処理してください | |
バックグラウンドが高い | 1. 標識レクチンと、もしくはDye/Substrateが濃すぎる | a. 各試薬の濃度を減らしてください b. インキュベート時間を減らしてください |
2. 洗浄が不十分 | a. 洗浄回数と洗浄時間を増やしてください | |
3. ブロッキングが不十分 | a. 切片もしくはブロットを、異なるブロッキング試薬で処理してください | |
4. サンプルに酵素活性がある | a. Dye/Substrate非存在下でバックグランド染色を起こすような活性が、サンプルにあるかどうかを測定してください | |
予想外の染色パターンになった | 多数の原因 | a. コントロール実験を行ってください b. 証明もしくは反証のために、他の細胞化学法を用いてください |