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技術情報

サンタクルズ社 CRISPR-dCas Activation システムプロトコール

記事ID : 15330

CRISPR-Cas 技術を応用した最強の内在性転写因子活性化システム

CRISPR-dCas Activation プラスミド トランスフェクションプロトコール


フェーズ1: CRISPR活性化プラスミド 一過性トランスフェクション

本プロトコールは、6ウェル組織培養プレートの1ウェル用です。それ以外のウェルやディッシュを使用する場合は、サイズに応じて細胞数や試薬の量を調整してください。

  • トランスフェクション 24時間前に、6ウェル組織培養プレートに、1ウェルあたり 1.5 x 105 - 2.0 x 105 個の細胞を、抗生物質不含の標準的な増殖培地 3mL 中に播種します。細胞を 40-80% コンフルエントに増殖させます。最初に播種する細胞数と、24時間後の細胞密度は、トランスフェクションに使用する細胞の増殖速度に基づいて決定します。CRISPR活性化プラスミドトランスフェクションを成功させるには、状態が良く、サブコンフルエントになった細胞が必要となります。
  • 次の溶液を調製します。
    注: 最適な「プラスミドDNA:UltraCruz® トランスフェクション試薬」の比率は、プラスミドDNA 1 µg に対して UltraCruz® トランスフェクション試薬 5-15 µL の範囲で予備試験を行い、決定します。トランスフェクション試薬の量を、細胞毒性が最小限になるように最適化し、プラスミドDNA濃度を 1-3 µg/ウェルの範囲で変更することができます。UltraCruz® トランスフェクション試薬の最適な量が 10 µL の場合は、プラスミドDNA濃度は 1-3 µg/10 µL の範囲で試験します(例: プラスミドDNA / UltraCruz® トランスフェクション試薬量: 1 µg/10 µL、2 µg/10 µL、3 µg/10 µL)。プラスミドDNA / UltraCruz® トランスフェクション試薬複合体の適切な量(1ウェルあたり)は、トランスフェクション効率が最大となるように、予備試験を行って決定してください。

    溶液A: 1回のトランスフェクションにつき、プラスミドDNA 1-3 µg を、プラスミドトランスフェクション培地(品番: SC-108062)で最終容量が 150 µL になるように希釈します。ピペッティングにより混合します。

    溶液B: 1回のトランスフェクションにつき、UltraCruz® トランスフェクション試薬(品番: SC-395739) 5-15 µL を、十分な量のプラスミドトランスフェクション培地(品番: SC-108062)で最終容量が 150 µL になるように希釈します。ピペッティングにより混合します。室温で5分間静置します。

    注: プラスミドトランスフェクション培地(品番: SC-108062)には抗生物質を加えないでください。
  • プラスミドDNA溶液(溶液A)を、希釈した UltraCruz® トランスフェクション試薬(溶液B)に、ピペットを用いて直接滴下します。すばやくボルテックスし、室温で20分以上インキュベートします。
  • トランスフェクションの前に、培地を新しい抗生物質不含の増殖培地に交換します。プラスミドDNA / UltraCruz® トランスフェクション試薬複合体(溶液A + 溶液B) 300 µL を、ウェルに滴下して加えます。
  • プレートをゆっくりと回して混合します。
  • 細胞を、通常の培養条件で 24-72 時間インキュベートします。トランスフェクション後の最初の24時間は、培地を交換する必要はありません。トランスフェクション 24-72 時間後に、必要に応じて培地を足すか、交換します。
  • CRISPR 活性化プラスミドをトランスフェクトした細胞を用いて、トランスフェクション 48-72 時間後にアッセイを行います。

フェーズ2: 細胞セレクション

  • Puromycin dihydrochloride(品番:SC-108071)、Hygromycin B(品番:SC-29067)、Blasticidin S HCl(品番:SC-495389)で、安定した活性化クローンを選択します。 抗生物質の選択には、形質導入されていない細胞を死滅させるのに十分な量を使用してください。 通常、Puromycin濃度は2~10µg / mL、Hygromycin B濃度は200~500µg / mL、Blasticidin S HCl濃度は1~20µg / mLで十分ですが、使用する細胞株や細胞種ごとに抗生物質を選択的に滴定することが推奨されます。
  • 耐性コロニーが確認できるまで、3~4日ごとに新しい抗生物質含有培地で培地を交換してください。いくつかのコロニーを選択、拡大し、安定した標的遺伝子の活性化についてアッセイします。

注):結果として生じる抗生物質耐性クローンは、細胞のゲノムにActivation constructsがランダムに統合されるため、標的遺伝子の活性化レベルが異なる可能性がございます。

フェーズ3: 細胞アッセイ

  • タンパク質解析
    細胞溶解の3日前に、培地を標準増殖培地に交換します。接着細胞を溶解する場合は、培地を吸引した後、細胞をPBSで洗浄し、掻き取ってから低速で遠心して細胞をペレットにします。浮遊細胞の場合は、培養細胞を遠心チューブに移し、低速で遠心して細胞をペレットにします。PBSで1回洗浄し、再度遠心します。100% コンフルエントの HEK 293 細胞や HeLa 細胞を使用する場合は、RIPA 溶解バッファーシステム(品番: SC-24948) 100 µL をペレットに加えます。それ以外の細胞株や密度の異なる細胞を使用する場合は、RIPA 溶解バッファーシステムの量を実験により決定してください。細胞を超音波処理、または他の方法で破砕します。サンプルを氷上で10分間インキュベートした後にボルテックスし、再度氷上で10分間インキュベートします。細胞ライセートを 4℃、10000 RPM × 20分間遠心します。BCA タンパク質アッセイキット(品番: SC-202389)を使用して、タンパク質濃度を測定します。
  • RT-PCR 解析用のRNAの抽出
    下記文献の手法を用いるか、市販のRNA抽出キットを使用します。
    P. Chomczynski and N. Sacchi (1987). Single-step method of RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform extraction. Anal. Biochem. 162: 156-159)
参考文献

  1. PMID: 24157548
  2. PMID: 23287718

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