記事ID ： 7434

CytoSelect™ 96-well in vitro 腫瘍感受性アッセイ

メーカー名：Cell Biolabs, Inc.

CytoSelect™ 96-well in vitro 腫瘍感受性アッセイキットは、MTT法という方法を用いて細胞生存率を測定します。

MTT[3-(4,5-Dimethyl thial-2-yl)-2,5-Diphenyl-tetrazalium Bromide]は、淡黄色の基質で、生細胞のミトコンドリアにおいて開裂し、晴青色のホルマザンを生成します（死細胞では開裂しません）。このホルマザンの生成量は生細胞数と相関しているため、その量を測定することで薬剤の効果を測定することができます（図1）。

使用目的

腫瘍感受性アッセイは化学療法薬への様々な腫瘍の感受性試験を目的とする評価方法で、最も効果的かつ副作用を最小限に抑えた治療法を発見するために重要です。腫瘍感受性アッセイで得られる情報から、テーラーメイドの化学療法薬群を絞り込め、また効果のない薬剤を排除することで、不必要な副作用を回避することができます。
in vitroでの腫瘍感受性アッセイは正確性が高く、高感度で、かつin vivoの環境に類似した3次元培養条件（コラーゲンゲルあるいは軟寒天ゲル等）でなければなりません。腫瘍感受性をモニタリングする一般的な手法は軟寒天コロニー形成測定法ですが、この方法では半固形培養培地で3～4週間培養し、コロニー数を測定して増殖を評価しなければなりません。しかし、本キットはマイクロプレート内の独自の半固形培地で細胞を6～8日間培養し、半固形培地を可溶化、生細胞をMTT試薬で検出するだけで腫瘍感受性を測定することができます。

＊本キットは研究用試薬です。治療や診断薬としてはご利用いただけません。

特長

抗ガン作用物質のスクリーニングに
従来の 3D 軟寒天マトリックスを使用
手作業での細胞数計測をせずに腫瘍感受性を定量
結果は従来の3週間から6～8日に短縮

構成内容

CytoSelect™ 寒天マトリックス溶液（10×）
CytoSelect™ マトリックス希釈液
DMEM（5×）
マトリックス溶解液（1×）
界面活性剤溶液
MTT溶液

測定原理

図1．アッセイ原理

使用例

図2． 5-フルオロウラシル（5-FU）によるHeLa細胞の悪性形質転換の抑制
HeLa細胞を5,000cell/wellで播種し、各濃度の5-FU存在下で7日間培養した。細胞の悪性転換はアッセイプロトコールに準じて測定した。HeLa細胞の足場非依存性増殖に対するIC50値は1μM以下であった。

図3．タキソールによるHeLa細胞の足場非依存性増殖の阻害
アッセイプロトコールに従い、1nMのタキソール無添加（左）添加（右）でHeLa細胞を7日間培養した。