αTAT1とは
微小管 (MT) の翻訳後修飾 (PTM) は 、40年以上前に初めて発見され(1)、微小管の活性を調節するメカニズムです。α-チューブリン N-アセチルトランスフェラーゼ 1 (αTAT1) によるα-チューブリンのリジン 40 (K40) のアセチル化 (図 1) は、最もよく研究されているチューブリンのアセチル化です。 MT のほとんどの PTM は C 末端にありますが、K40 は MT の内腔側にあります。K40 のアセチル化が MT の安定性に影響を与えるかどうかは不明ですが、Cryo-EM を使用した最近の研究では、K40 でのアセチル化による MT の構造変化が観察されています(2)。加えて、MT-PTM は、MT 関連タンパク質 (MAP) およびキネシンモータータンパク質の MT への異なる結合に関連していると考えられています(3,4)。MT アセチル化が細胞プロセスの調節において果たす役割を明らかにするにはさらなる研究が必要ですが、異常なアセチル化は神経変性疾患、繊毛症、および癌と関連付けられています(5)。

図1 微小管内腔への入り口
【関連情報】
- 微小管内部の実体
CYTOSKELETON NEWS 2013年5月号 - 翻訳後修飾のアセチル化による微小管の安定化
CYTOSKELETON NEWS 2017年9月号