1. ヒト血清のEVおよびタンパク質回収率
サンプル: ヒト血清
ヒト血清をEV-Capture™ EV Purification Spin Columnで精製しました。血清は12,000 x gで15分間遠心分離し、上清を0.45 µmのフィルタで処理しました。血清アプライ量を50 µLから400 µLまで増加させ、ナノサイトで精製物の微粒子濃度を測定しました。タンパク濃度はBradford法で測定し、SDS-PAGEで精製前後のバンドパターンを比較しました。
|
精製した血清量(µL) |
精製時希釈倍率 |
溶出容量 (µL) |
微粒子濃度 (particles / mL) |
タンパク濃度 (mg / mL) |
泳動アプライ量 (µL) |
泳動アプライ量 血清相当量(µL) |
血清 |
- |
- |
- |
4.14 x 1012 |
55.54 |
0.1 |
0.10 |
条件1 |
50 |
6 |
300 |
4.22 x 1011 |
0.13 |
5.0 |
0.83 |
条件2 |
100 |
4 |
300 |
8.14 x 1011 |
0.29 |
5.0 |
1.67 |
条件3 |
200 |
2 |
300 |
1.64 x 1012 |
0.69 |
5.0 |
3.33 |
条件4 |
400 |
2 |
300 |
2.08 x 1012 |
1.16 |
5.0 |
6.67 |
血清アプライ量が200 µL以下であれば微粒子の約6割を回収することができ、98%以上のタンパク質を除去することができました。SDS-PAGEのバンドパターンも精製前と大きく変化しており、主要タンパク質を効率的に除去できていることが分かります。
2. 微生物由来EVの回収
それぞれ5.0 x 109 particles / mLに調製してEV-Capture™ EV Purification Spin Columnに0.6 mLアプライして回収しました。標品と回収物をグラム陰性菌由来EV検出キットおよびグラム陽性菌由来EV検出キットで比較して回収率を算出しました。
3. Tween20添加による回収率向上
サンプル: HCT116培養上清(無血清)
約1.0 x 1010 particles / mLの培養上清をEV-Capture™ EV Purification Spin Columnに0.7 mLアプライして回収しました。精製前の培養上清と精製物をヒト由来エクソソーム定量用 CD9×CD63 ELISAキット(品番:EXH0102EL)で比較して回収率を算出しました。溶出バッファーに0.01%のTween20を添加することで、回収率が1.4倍に増加しました。