細胞外小胞(エクソソーム)への応用
図2. JotDyeで標識した細胞外小胞(EV)のフローサイトメトリー解析
(a) 未染色のEV、(b) 1µM JotDyeで標識したEV、(c) 1µM JotDyeのみ、(e) 1µM PKH26 色素のみ(EV非存在下)。
図3. 蛍光顕微鏡を用いてJotDyeで標識したEV(細胞外小胞)の取り込みをモニタリング JotDye-600(赤)で標識したPC-3由来のEV(20ug)をHEK-293T細胞とともに24時間インキュベーションした。細胞の核はSYTO Far Red(青)で染色した。画像は、Leica THUNDERイメージャー蛍光顕微鏡で撮影し、Computational Clearing技術とImageJを用いて画像処理を行った。

図4. イメージングフローサイトメトリーを用いてJotDyeで標識したEV(細胞外小胞)の取り込みをモニタリング
PC-3由来のEVを2µM JotDyeで標識し、Amicon 100KDaフィルターを用いて精製した後、A549細胞に添加してインキュベートした(図4)。細胞は (a) 2時間、(b) 4時間、(c) 8時間インキュベーション後にImageStream (Amnis)で解析した。JotDye標識EVは緑色のスポットとして観察された。EVが存在しない場合、遊離のJotDyeはミセルを形成しないため、すべて精製工程で除去され、細胞内で蛍光シグナルは観察されなかった(d)。これに対して、DiD色素のミセルは精製されず、細胞から蛍光シグナルが観察された。これは、DiDミセルが取り込まれたことを示唆しており、DiDで標識されたEVと誤って判断される可能性がある。
哺乳動物細胞への応用
JotDyeは、哺乳細胞に対する安定した結合性と低い細胞毒性により、細胞分裂の追跡に使用できます。高い量子効率を有することから、長期間にわたる蛍光追跡が可能です。
図5. HepG2細胞をJotDyeと膜染色色素FM 4-64で二重染色した際の共焦点顕微鏡画像(a) JotDyeチャネル、(b) FM 4-64チャネル、(c) 明視野チャネル、(d) マージしたチャネル。FM 4-64との共局在により、JotDyeの特異性が確認された。
図6. JotDyeを用いた細胞分裂トラッキングJotDyeで標識されたA549哺乳類腫瘍細胞(赤)は非染色の細胞(黒)と比較して蛍光強度が3桁(3-log)増加した。本細胞は、4回の継代培養を経た後、CytoFLEX(Beckman Coulter社)で解析した。オレンジ:1継代目、緑:2継代目、青:3継代目。マゼンタ:4継代目。
赤血球への応用
図7. JotDyeを用いた赤血球の標識
JotDyeで染色した赤血球と未染色の赤血球を混合したサンプルをフローサイトメトリーで解析した。混合比率は(a) 0:5、(b) 2:3、(c) 3:2、(d) 5:0。JotDyeは、赤血球標識後も細胞内で安定して保持されており、非染色サンプルへ色素が移行(クロスオーバー)することはなかった。(e)JotDyeで染色した赤血球の明視野顕微鏡画像、(f)共焦点顕微鏡画像。