免疫反応の活性化を促進 KillerTRAIL™ / SuperKillerTRAIL™ : 改良型TRAIL

アポトーシスを誘導するためには、TRAILが多量体を形成する必要があります。多量体形成レベルの上昇とともに活性も上昇します。TRAILの多量体形成は、例えば Enzo Life Sciences社の「TRAIL, Soluble (human)(recombinant)(品番ALX-522-003) と「Enhancer for Ligands (品番ALX-804-034)」などを利用して行うことができます。「TRAIL, Soluble (human)(recombinant) set (品番ALX-850-018)」には両商品が含まれています。 　より簡便に多量体を形成させるために、Enzo Life Sciences社では「KillerTRAIL™」または「SuperKillerTRAIL™」をお奨めします。これら商品はクロスリンキング試薬が不要です。 　通常の TRAIL と比較し、KillerTRAIL™ では独自のリンカーペプチドを使用しており、溶液中での三量体形成が可能となります。SuperKillerTRAIL™ にはリンカーペプチドが含まれるだけでなく、挿入した変異により分子間のジスルフィド架橋を形成させて活性型多量体立体構造を安定化させます。このメカニズムにより、高いレベルのリガンドクロスリンキング率、多量体形成率が達成されます。SuprtKillerTRAILTM は、アポトーシスを誘導するためのもっとも強力なTRAILバリアントです。

TRAILによるアポトーシス誘導は、細胞表面上のTRAIL受容体1及び2 に結合することで惹起されます。細胞種によりTRAIL受容体の数は異なります。TRAIL-R2 は TRAIL-R1 に比べてアポトーシス誘導に、より高いレベルのクロスリンキング率が求められます。そのため、JurkatのようなTRAIL-R1欠損細胞などの場合、多重体化率の高いTRAILs (例えば SuperKillerTRAIL™) のみがTRAIL-R2を介したアポトーシス誘導に必要なシグナルを効果的に惹起できます。

融解後は、適切に分注し、-80℃で保存します。全活性を保持するためには、各分注品の希釈タンパク質濃度を0.1 mg/mL以上、容量は20 μL以上にしてください。また、調製や希釈に Enzo Life Sciences社の KillerTRAIL™ Storage and Dilution Buffer (品番ALX-505-005) を使用することをお勧めします。すぐに使用する場合は、予め希釈したKillerTRAIL™ や SuperKillerTRAIL™ を実験で必要となるまで氷上で保存してください。

推奨作業希釈幅は、KillerTRAIL™ で10 - 100 ng/mL、SuperKillerTRAIL™ で 2 - 100 ng/mLです。ただし、お客様の実験条件に合わせて調整が必要な場合もあります。

Enzo Life Sciences社の KillerTRAIL™ と SuperKillerTRAIL™ は単量体で、算出された分子量はそれぞれ 24,144 Daと24,350 Daです。SDS-PAGE条件に合わせて還元や変性を行った場合、どちらもおよそ27 kDa程度の位置に泳動されます。