ミエロペルオキシダーゼ(MPO)とは
ミエロペルオキシダーゼ(MPO;Myeloperoxidase)とは、幅広い生物に対して抗菌活性を示すヘムベースのペルオキシダーゼ酵素です。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、好中球や単球、軟組織内のマクロファージでみられます。刺激された好中球で多く発現し、過酸化水素(H2O2) と塩化物イオン(Cl-)または他のハロゲン化物から、次亜塩素酸(HOCl)などの次亜ハロゲン酸生成を触媒します。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の特徴的なヘム緑色色素は、膿や粘液などの好中球を含む分泌物で見ることができます。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、関節炎、がん、腎機能障害、および嚢胞性線維症を含む多くの疾患状態に関与しています。 遺伝的疾患であるミエロペルオキシダーゼ(MPO)欠損症は、免疫不全を引き起こします。反応種 (reactive species)もまた正常な組織を損傷し、炎症を促進します。 また、酸化ストレスの増加、および カタラーゼ 活性レベルの低下に相関することがわかっています。MPO値の上昇と冠動脈疾患との関連が実証されており、特定の患者における心筋梗塞の予測因子として機能することが報告されています。先天性免疫応答と疾患で多くの役割を果たすミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、潜在的な治療ターゲットになっています。
MPOは、塩素化活性と過酸化活性の両方を示します。(図1)