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記事ID : 36576
研究用

蛍光標識ファロイジンを全13色ご用意Phalloidin-iFluor

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AAT Bioquest社では、自社の iFluor™ 色素の優れた蛍光特性を活かして、F-アクチンに選択的に結合するフルカラースペクトラムの蛍光標識ファロイジンを開発しました。これらのPhalloidin-iFluorはナノモル濃度で使用し、ホルムアルデヒド固定組織切片、透過処理済み組織切片、培養細胞、または無細胞実験におけるF-アクチンの標識、同定、および定量といった様々なアクチン関連アッセイに有用です。従来法のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)やローダミン標識に比べ、Phalloidin-iFluor™ はF-アクチン染色の輝度や光安定性に優れています。Phalloidin-iFluor™ の性能は、Alexa Flour® conjugates と同等かほとんどの場合においてより優れています。
AAT Bioquest社では、より強い蛍光を得るため、プロトコールに従ってPhalloidin-iFluor™ をご使用いただくことを推奨しています。Phalloidin-iFluor™ 700、iFluor™ -750、およびiFluor™ -790は、一般的に使用される赤色蛍光から十分なスペクトル分離をもつ数少ない近赤外染色のひとつです。

Phalloidin iFluor™ 488 で染色したHeLa細胞

図1. Phalloidin iFluor™ 488 で染色したHeLa細胞
固定:4%ホルムアルデヒド
核染色:Nuclear Red™ DCS1(品番:17552)

背景

■ アクチン

アクチンは、単量体状態(訳注:G-アクチン)から線維状アクチン(F-アクチン)へとダイナミックに重合する特有の能力をもっています。F-アクチンとアクチン結合タンパクなどの調節タンパク質との相互作用によって、アクチンフィラメントが急速に集合もしくは解離し、アクチン束や細胞骨格ネットワークに組織化されます。これらの高次構造は、細胞内輸送、細胞質分裂、細胞運動性、極性と細胞形状、遺伝子制御、および情報伝達などの多数の細胞プロセスにおいて非常に重要な機械的かつ構造的支持となります。アクチンは多様な生物学的プロセスに必須であることから、これらのアクチン構造を可視化するツール(アクチン特異的抗体やファロイジン染色)は研究に不可欠です。

■ 線維状アクチン(F-アクチン)の検出

細胞骨格の構造や機能の特性を明らかにするために、しばしばF-アクチン染色が行われます。アクチン細胞骨格は生細胞において非常に動的かつ不安的な構造であることから、通常、アクチン標識を行う前に氷冷メタノールやパラホルムアルデヒドでの固定が必要となります。固定細胞におけるアクチン構造は、アクチン抗体、蛍光ファロイジン、または電子顕微鏡により可視化できます。抗体は単量体と多量体(線維状またはF-アクチン)の両方を認識するため、F-アクチンのみに結合するプローブに比べてバックグラウンドが高くなる傾向にあります。正しく設計された蛍光ファロイジンは、F-アクチンの天然四次構造にのみ結合するため、バックグラウンドが低く抑えられます。

■ ファロイジン

ファロイジンは、ファロトキシンファミリーの主な代表物であり、毒性のタマゴテングダケであるAmanita phalloidesより単離された二環性のヘプタペプチドで、単量体G-アクチンに比べF-アクチンサブユニット間の溝に対して高い結合親和性があります。アクチン抗体に比べてファロイジンの非特異的結合は無視できる程度のため、細胞イメージングを行う際に最小限のバックグラウンドで高いコントラストが得られます。ファロイジンは、一旦F-アクチンに結合すると単量体と線維の平衡状態を線維へと移行させ、ATP加水分解を阻害します。この相互作用がサブユニットの解離を防ぐことでアクチン線維を安定化させ、臨海濃度を低下させることでアクチン重合を促進します。これらの特性により、F-アクチンや細胞骨格ネットワークの可視化において、ファロイジンは有用な染色方法です。
phalloidin(品番:5301)の化学構造式
図2. phalloidin(品番:5301)の化学構造式

■ ファロイジンの特性

ファロイジンは水溶性であり、ナノモル濃度で使用した場合はF-アクチンを選択的に染色できます。一部のアクチンに対する抗体とは異なり、ファロイジンは単量体に比べてアクチン線維により堅固に結合できる能力をもつことから、非特異的染色やバックグラウンドノイズが低減し、染色領域と非染色領域間で高いコントラストが得られます。抗体と比べてファロイジン誘導体は小さく(< 2 kDa)、ファロイジンが線維に結合しても線維の機能特性を妨げません。また、サイズが小さいためより高密度にF-アクチンをラベリングでき、より高い解像度で画像処理を行う際に詳細に染色ができます。さらに、アクチンは進化的に保存されているため、ファロイジンの結合特性を広範な動植物細胞の染色に利用できる可能性があります。

特長

  • F-アクチン選択的に結合
  • 非特異的染色が無視できアクチンの高コントラスト識別が可能
  • 多染色アプリケーションに向けて多色波長をご用意

適用サンプル

  • ホルムアルデヒド固定サンプル
  • 透過処理済み組織切片
  • 培養細胞
  • 無細胞実験
  • 脱パラフィンしたパラフィン包埋サンプル

適用アプリケーション

  • 蛍光顕微鏡
  • マイクロプレートリーダー
  • フローサイトメトリー
■表1. Phalloidin- iFluor™ 選択ガイド
品番 品名 分子量 Ex/Em
(nm)
フィルターセット
23110 Phalloidin-iFluor™ 350 〜1300 344/448 DAPI
23111 Phalloidin-iFluor™ 405 〜1400 402/425 DAPI
23115 Phalloidin-iFluor™ 488 〜1900 491/516 FITC
23116 Phalloidin-iFluor™ 514 〜1800 527/554 TRITC
23117 Phalloidin-iFluor™ 532 〜1800 543/563 TRITC
23119 Phalloidin-iFluor™ 555 〜1300 556/569 TRITC
23122 Phalloidin-iFluor™ 594 〜1600 587/603 Texas Red
23125 Phalloidin-iFluor™ 633 1703.99 638/652 Texas Red
23127 Phalloidin-iFluor™ 647 1632.87 654/669 Cy5
23128 Phalloidin-iFluor™ 680 〜2000 683/700 Cy5.5
23129 Phalloidin-iFluor™ 700 〜3000 690/713 Cy5.5
23130 Phalloidin-iFluor™ 750 〜3300 756/777 Cy7
23131 Phalloidin-iFluor™ 790 〜2800 786/811 Cy7

染色例

Phalloidin-iFluor™ で可視化したアクチン線維

図3. Phalloidin-iFluor™ で可視化したアクチン線維
F-アクチン、核、およびリソソームをそれぞれ以下のように染色した。
(A) Phalloidin iFluor™ 488、Nuclear Blue™ DCS1、およびLysoBrite™ Red
(B) Phalloidin-iFluor™ 700、Nuclear Blue™ DCS1
(C) Phalloidin-iFluor™ 350、Nuclear Orange™ DCS1

プロトコール概要

培養細胞におけるF-アクチン染色をご紹介します。

■ 保存と取扱い

【注意】ファロイジンは弱毒性です。取扱いにご注意ください。

  • Phalloidin-iFluor™ 350 から Phalloidin-iFluor™ 596は、ready-to-use(1000x 溶液 in DMSO)
  • Phalloidin-iFluor™ 633 から Phalloidin-iFluor™ 790は、凍結乾燥品(1000x 溶液に調整して使用)
  • 直ちに使用しない場合は、Phalloidin-iFluor™ 抱合体を斜光して-20℃で保存し、凍結融解の繰り返しを避けてください。

■ 材料

  • Phalloidin-iFluor™ 488 Conjugate(品番:23115)
  • PBS
  • BSA
  • 培養細胞
  • オプション:0.1% Triron X-100
  • オプション:エタノールアミン
  • オプション:FluoroQuest™ Mounting Medium with DAPI(品番:20004

■ アクチン染色プロトコール 概要

【注意】使用前にPhalloidin-iFluor™ 488を室温に戻し、軽く遠心する。

  1. Phalloidin-iFluor™ の1000x ストック溶液を用意する(凍結品の場合は、30 μLのDMSOをバイアルに添加し、調整する)。
  2. 1 μLの1000x Phalloidin-iFluor™ ストック溶液を1 mLの1%BSA(in PBS)に添加して、1x Phalloidin-iFluor™ ワーキング溶液を調製する。溶液をピペッティングにより十分に混合する。100 μL/wellで10 well分に十分な染色溶液が調製できる。
    *細胞種によっては、Phalloidin-iFluor™ の濃度を調節してください。
  3. 3-4%メタノール不含ホルムアルデヒド(in PBS)で細胞を固定する。室温10-30分。
    *メタノールは固定中にアクチンを崩壊させることがあるため、メタノール含有固定剤は避けてください。
  4. 固定液を吸引する。
  5. 固定した細胞をPBSで2-3回洗浄する。
  6. オプション:10mMエタノールアミン(in PBS)で余剰なホルムアルデヒドを5分間失活させる。
  7. オプション:固定した細胞に、0.1% Triton X-100(in PBS)を添加し、3-5分間おき、透過性を上げる。その後PBSで2-3回洗浄する。
  8. 細胞にPhalloidin-iFluor™ 溶液を100 μL/ well(96穴プレートの場合)添加し、室温で20-90分間染色する。
  9. 細胞をPBSで穏やかに2-3回洗浄し、余剰なPhalloidin-iFluor™ 溶液を除去する。
  10. オプション:FluoroQuest™ Mounting Medium with DAPI(品番:20004)を数滴加え、封入後2時間静置する。これにより光退色を防ぎ、DAPIによる核の対比染色ができる。

Phalloidin-iFluor™

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Phalloidin, iFluorTM 350詳細データ ABD 23110 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 405詳細データ ABD 23111 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 488詳細データ ABD 23115 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 514詳細データ ABD 23116 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 532詳細データ ABD 23117 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 555詳細データ ABD 23119 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 594詳細データ ABD 23122 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 633詳細データ ABD 23125 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 647詳細データ ABD 23127 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, iFluorTM 680詳細データ ABD 23128 300 TEST
¥62,000
Phalloidin, iFluorTM 700詳細データ ABD 23129 300 TEST
¥62,000
Phalloidin, iFluorTM 750詳細データ ABD 23130 300 TEST
¥62,000
Phalloidin, iFluorTM 790詳細データ ABD 23131 300 TEST
¥62,000

その他のPhalloidin

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Phalloidin詳細データ ABD 5301 1 MG
¥41,000
Phalloidin Amine詳細データ ABD 5302 100 UG
¥41,000
Phalloidin-PEG4-DBCO詳細データ ABD 5303 100 UG
¥62,000
Phalloidin, 7-amino-4-methylcoumarin-3-acetic acid詳細データ ABD 23100 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, Fluorescein Isothiocyanate詳細データ ABD 23101 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, Tetramethylrhodamine詳細データ ABD 23102 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, Label California Red詳細データ ABD 23103 300 TEST
¥30,000
Phalloidin, Alexa FluorTM 350詳細データ ABD 23150 300 TEST
¥62,000
Phalloidin, Alexa FluorTM 488詳細データ ABD 23153 300 TEST
¥62,000
Phalloidin, Alexa FluorTM 594詳細データ ABD 23158 300 TEST
¥62,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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