アッセイ原理
図1 ブリッジ技術を用いたSARS-CoV-2 RBD Antibody
ELISAアッセイ原理
まず、ELISAプレートをStrep-Tactin® XT*でコートし(一晩)、ブロッキング後にサンプルとRBDブリッジ混合液を加えます。RBDブリッジ混合液には、Twin-Strep-tag® 付きリコンビナントRBDと、WASP ペプチドタグ付きリコンビナントRBDの二種類が含まれています。図1のように、RBD特異的な抗体の片方のアームにRBD-Twin-Strep-tag®が結合し、もう一方にはRBD-WASPタグが結合することで、ブリッジが形成されます。そしてRBDのTwin-Strep-tag 部分がプレート上のStrep-Tactin® XTと結合することで、ブリッジ複合体を捕捉します。 捕捉された複合体はAnti-WASP-HRP、TMB基質を添加することで検出します。硫酸で発色反応を停止した後、ELISAプレートリーダーにて光学密度を測定します。
*この製品に含まれている Strep-Tactin® XT タンパク質は、IBA GmbH社により製造されており、研究用および商用としてのご利用のために提供されます。商用利用の場合には、Twin-Strep-tagの商用利用ライセンスを所有する企業に限られています。商用利用ライセンスに関する情報は、IBA GmbH社へのお問い合わせが必要となります。
IgA(免疫グロブリンA)
血清中に存在する総Ig分子のわずか10~15%程度ですが、分泌物や消化管、尿生殖路中では多くを割合を占めるIgアイソタイプです。分泌物中で発見されたIgA(分泌型IgA または sIgA)は、通常、J鎖によって2つのIgA分子が結合した二量体です。分泌型IgAは、多くの病原体の侵入領域となる粘膜表面にある最も重要なIgアイソタイプです。
IgG(免疫グロブリンG)
血清中に最も豊富なIgアイソタイプであり、血清免疫イムノグロブリンの約80%を占めています。ヒトでは、4種のサブクラスIgGが存在し、IgG1,、IgG2、 IgG3、 IgG4の順で血清中濃度が高いです。 マウスではIgG1、IgG2a/c、IgG2b、IgG3のサブクラスで定義されています。IgG分子は二つの重鎖、二つの軽鎖(κまたはλ)で構成されており、抗原と結合する二つのアームを持っています。一般的な抗原への免疫応答では、IgM による初期応答の次に、IgG抗体の高発現が誘導されます。
IgM (免疫グロブリンM)
B細胞の表面上で単量体で発見されましたが、形質細胞から分泌されるIgM分子は五量体であり、J鎖によって五つのIgM分子が結合しています。IgMは血清中の総Ig濃度の約10%を構成しています。IgMは一般的な免疫応答で最初に誘導される抗体アイソタイプですが、抗原に対する親和性は最も低いアイソタイプです。しかしながら五量体構造をとるため、IgMは10つの抗原結合部位があり、表面結合抗原のような結合にもかかわらず、非常に高い結合力を持ちます。