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Q&A

記事ID : 43930

Lexogen社 Small RNA-Seq Library Prep Kit

【商品詳細】

【01】RNA精製等、追加のキットを購入する必要はありますか?

total RNAや濃縮されたsmall RNAをインプットとする場合、最終的なライブラリはmiRNA画分よりも長いライブラリインサートを含む可能性があります。アダプターは、total RNAに存在する他のRNAタイプ(例えば、tRNA、piRNA、mRNA、snRNA、リボソームRNA等)にも連結することができるため、長いライブラリ断片 (200〜1,000 bp) を除去して、シーケンスの深度をmiRNA画分に集中させる必要があります。
さらに、RNAインプット量が少なかった場合、Small RNA-Seq Library Prep Kitによるライブラリ調製では120 bpのlinker-linker artifactsが含まれる可能性があり、サイズセレクションのためにPurification Module with Magnetic Beads(品番:022.96)をご使用いただくことを推奨しております。Small RNA-Seq Library Prep Kitには、磁気ビーズ付き精製モジュールとのセット品(品番:058.08、058.24、058.96)もございます。磁気ビーズによる精製プロトコールはUser Guide外部リンクの「13. Appendix G: Size Selection of NGS Libraries Using Magnetic Beads」をご参照ください。

【02】インプットRNAに要求されることは何ですか?

Small RNA-Seq Library Prep Kitは、100 ng~1,000 ngの細胞total RNA、または血漿および血清、尿などのRNA含有量の低いサンプルから濃縮した50 pg~1,000 ngのsmall RNAをインプットRNAとしてご使用いただけます。Lexogen社としては、細胞または組織由来のtotal RNAインプット量は100 ngを推奨しております。
100 ngのインプット量では、2倍希釈した3'アダプターおよび、5'アダプター、RT-プライマーと、50 µlのEtOHを使用することを推奨しております。
インプット量が100 ng未満の場合は、アダプターの希釈とプロトコールにおいて調整が必要です。詳細は、Q【03】 およびUser Guide外部リンクの「8. Appendix B: Input RNA / Protocol Adjustments」をご参照ください。

【03】低RNAインプット量における推奨事項は何ですか?

total RNAおよびsmall RNAにおけるRNAのインプット量が100 ng未満の場合はプロトコールの調整が必要です。具体的には、3'アダプターおよび、5'アダプター、RT-プライマーの希釈や、エンドポイントPCRのサイクル数の調整が必要です (詳細はUser Guideの「8. Appendix B: Input RNA / Protocol Adjustments」をご参照ください) 。
total RNAのインプット量の下限は、サンプルのsmall RNAの含有量に依存します。10%のsmall RNA含有量であれば、1 ngのtotal RNAを最低インプット量としてご使用いただけます。small RNAの含有量が少ないサンプルのtotal RNAでは原料のインプット量を増やすようにしてください。

【04】RNA抽出における推奨事項は何ですか?

RNA抽出には、SPLIT RNA Extraction Kit(品番:008.48)をご使用いただくことを強く推奨しております。SPLIT RNA Extraction Kitはsmall RNA(最短17 nt)のダイレクトな抽出が可能です。インプットとしてtotal RNAを単離する際はそのプロトコールでmiRNAを含むsmall RNAを回収できることを確認してください。多くの市販製品では、低分子RNAを除去し得るシリカ系精製技術を使用しております。製造元の仕様を確認してください。
血漿や、血清、尿、エクソソームなどの生体液サンプルについては、total RNAの単離が好ましく、低分子RNAを分画する必要はありません。

【05】Small RNA-Seq Library Prep Kitでライブラリを調製する前にRiboCopを用いてリボソームRNAを除去する必要はありますか?

Small RNA-Seq Library Prep Kitは total RNAをインプットとして使用することを意図して設計されているため、リボソームRNA(rRNA)を除去する必要はありません。Small RNA-Seqのライブラリ調製において、rRNA除去のためにLexogen社のRiboCopをご使用いただくことは推奨しておりません。small RNA画分がRiboCopのプロトコールにおける精製ステップで減ってしまう可能性があります。

【06】Small RNA-Seq Library Prep Kitで調製したライブラリにはUMIが含まれていますか?

現時点では、Small RNA-Seq Library Prep KitにはUMI(Unique Molecular Identifiers)は含まれていません。

【07】ライブラリ増幅のためのPCRのサイクル数はどのように選んだらよいですか?

エンドポイントPCRにおけるサイクル数はUser Guide外部リンクの「8. Appendix B: Input RNA / Protocol Adjustments」の表をご確認ください。例えば、100 ngのインプット量であれば、PCRサイクル数は15に、また、1000 ngのインプット量であれば、PCRサイクル数は12に設定していただくことを推奨しております。RNAサンプルにおけるsmall RNAの含有量に応じて、1~2サイクル追加し、ご調整ください。

【08】マルチプレックスのバーコードはどのように選んだらよいですか?

基本的に、Small RNA-Seq Library Prep Kit に含まれるSmall RNA i7 Indexが8つ含まれるキットサイズの場合は (SRi7001-7008)、最低でも8つのサンプルを処理していただくことを推奨しております。しかし、必要なバーコードがより少ない場合(少量サンプルでプールしたい場合)は、赤および緑のレーザーのシグナルが良くバランスの取れたインデックスを使うことに注意する必要があります。同じレーン内の個々のライブラリは、このバランスを確保するために等モル比で混合する必要があります。インデックスのカラーバランスを確認する評価ツールとして、Support Tools 内の Index Balance Checkerをご参考ください。なお、Small RNA-Seq Library Prep Kitで調製したライブラリはDual indexには対応しておりません。

【09】Lexogen社が提供する他のライブラリ調製キットで使用されているインデックスはSmall RNA-Seq Library Prep Kitに使用可能ですか?

いいえ、ご使用いただけません。Small RNA-Seq Library Prep Kit以外で提供される他のインデックスとSmall RNA-Seq Library Prep Kitは互換性がありません。

【10】サンプルをゲル精製したいのですが、推奨事項はありますか?

Small RNA-Seqライブラリ調製におけるゲル精製では、EtBrで染色した3%アガロースゲルを用いてサイズセレクションを行うことを推奨しております。
Bioanalyzerで135~150 bpの範囲で算出された等モル濃度の泳動サンプルをご用意いただき、EtBrで染色したアガロースゲルをTBE中で80 Vで2時間泳動してください。
標的バンドを切り出し、インサート配列を含まない約120 bpのlinker-linker artifactsを回収しないようにご注意ください。最終的なゲル抽出には、任意の市販のゲル抽出キットをご使用いただけます。

【11】Small RNA-Seq Library Prep Kitで調製したライブラリにはどのシーケンスプラットフォームが適していますか?

Small RNA-Seq Library Prep Kitは、Illumina社のシーケンスプラットフォーム(HiSeq2000、HiSeq3000、HiSeq4000、NextSeq 500 / 550、NextSeq 2000、NovaSeq 6000、 MiSeq、MiniSeq、GAIIX)に対応しています。ライブラリは標準的なIlluminaシーケンスプライマーと互換性があり、カスタムシーケンスプライマーは必要ございません。

【12】Small RNA-Seqライブラリにおける最適なリード長はどれくらいですか?

Small RNA-Seqライブラリはショートリード(例:SR50)で十分とされています。ライブラリはシングルリード(SR)およびペアエンドリード(PR)のシーケンス試薬と互換性がございます。small RNAは200 nt以下のRNAを指し、micro RNA (miRNA) および、Piwi-interacting RNA (piRNA) 、small interfering RNA (siRNA) 、small nucleolar RNA (snoRNA) 、tRNA由来small RNA (tsRNA) 、small rDNA由来RNA (srRNA) 、small nuclear RNAを含んでいます。

【13】サンプルあたりどれくらいのリード数が必要ですか?

一般的には遺伝子発現解析にはサンプルあたり少なくとも100~200万のマッピングリード数、また、新規small RNAの探索にはサンプルあたり少なくとも 1000万のリード数を推奨しております。出発材料と目的にもよりますが、サンプルあたり最低400~500万のリード数を目標としていただくことを推奨しております。低インプット量または、ライブラリのsmall RNAの含有量が低い場合は、サンプルあたりより多くのリード数が必要になる場合がございます。

【14】Read1のトリミングに必要なアダプター配列を教えてください。

アダプターのトリミングには、下記の配列をご使用ください。
5' - TGGAATTCTCGGGTGCCAAGGAACTCCAGTCAC - 3'

【15】Small RNA-Seq Library Prep Kitで調製したライブラリのシーケンス結果はどのように解析できますか?

実験の目的に応じて、small RNA-Seqデータを分析する方法は様々です。small RNA-Seqライブラリのシーケンス結果におけるmiRNAの分析のためのワークフローの一例を下記にご紹介いたします。なお、このワークフローは下記文献から引用しております。
Tam et al., (2015) Optimization of miRNA-seq data preprocessing. Briefings in Bioinformatics 16(6). (本論文ではリードマッピング (アラインメント) および 、正規化法、発現差異解析における比較検証についても記述されています。)

一般的なワークフローではアダプター配列のトリミングおよび、トリミングされたリードのサイズセレクション、リードマッピングが含まれています。

1.トリミングおよび、アダプター除去、サイズセレクション

  1. BBDuk Guideを参考に、リードの3'末端からアダプター配列を除去し、ホモポリマーをトリミングします。
  2. 得られたリードをロングリードとショートリードに分割します。
  3. 31 bpよりも短いショートリードはアダプターシーケンスによって読み取られ、miRNAアライメントのために処理されます。
  4. ロングリードは参照ゲノム配列へのアライメントのために別途保持されます。

2.マッピング

<ショートリード分画>
  1. 14 bp以下のリードを取り除きます。
  2. BWAを使って、15-31 bpのリードをrRNA配列へマッピングします。
  3. BWAによるアラインメントでマッピングされていないリードを使ってmirBase外部リンクアノテーションにマッピングします。
<ロングリード分画>
  1. STAR外部リンクを使用して参照ゲノム配列にロングリードをマッピングします。

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