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記事ID : 17905

AAT bioquest (ABD)社 核酸検出の進歩


DNA、RNA定量の為のツール概要

核酸検出にはディテクターとトランスデューサーが重要です。ディテクターは、核酸を認識し直接相互作用する部分、トランスデューサーは、その相互作用から定量化可能なシグナルを生成する部分です。たとえば、蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)と呼ばれる、DNA検出方法についてです。

FISHは、染色体上の特定のDNA配列を検出する方法として1980年代に最初に開発され、ターゲットシーケンスに相補的な一本鎖DNA(ssDNA)プローブを設計することで機能します。プローブは、ハイブリダイゼーションを妨げないように十分に小さく、且つ標的配列に特異的に結合するのに十分な塩基対を持っている必要があります。設計されたプローブ(ディテクター)は、検出、定量化を可能にするフルオロフォア(トランスデューサー)でタグ付けされます。プローブを、変性させたサンプルDNAへと添加することで、プローブとターゲットssDNAが結合(ハイブリダイゼーション)して二本鎖DNA(dsDNA)を再形成します。その後、蛍光顕微鏡などの標準的な機器を使用して、プローブ=ターゲットDNA配列を検出することができます。

これは洗練された方法ですが、FISHおよび同様のハイブリダイゼーションを実施する場合は、いくつかの考慮事項があります。たとえば、プローブとサンプルDNAで競合が起きた場合、ハイブリダイゼーションが妨げられ検出に大きな影響が出ます。さらに、FISHは実際の生細胞内の条件をほとんど反映していません(DNAは細胞環境の温度をはるかに超える温度で変性し、細胞内のほとんどのDNAはssDNAではなくdsDNAとして存在しています)。
また、FISHは非常に時間のかかる手法であり、1アッセイあたり約12時間を必要とします。多くの場合、研究者は特定の配列をターゲットにすることのない、DNAを迅速に定量するためのアッセイを望んでいます。このため、使用の利便性だけでなく、極端な変性手順なしのdsDNAの検出も可能とする試薬が開発されてきました。

dsDNAの検出

特定の配列検出が必要ない場合、dsDNAの検出に利用できる多くのケミカルプローブがあります。
最も古いものの1つは4 ', 6-diamidino-2-phenylindole(DAPI)です。 DAPIは1971年に最初に開発され、現在でも蛍光顕微鏡で広く使用されています。これは、dsDNAのATリッチ領域に結合することによって機能します。 dsDNAに結合すると、紫外光源での励起により461 nmの強力な蛍光を発します。 DAPIは理論的には固定細胞と生細胞の両方を染色するために使用できますが、生細胞では透過性が低く、固定細胞よりもはるかに染色強度は低くなります。

別の一般的に使用される化学プローブは、ビスベンズイミド(bisbenzimides)ファミリーです。このうち、ヘキスト染色は最もよく確立されています。 DAPIと同様に、ヘキスト染色はdsDNAのATリッチ領域に結合し、副溝に局在します。ただし、ヘキスト染色には、DAPIよりも2つの大きな利点があります。まず、ヘキスト色素は化学構造にエチル基を持っているため、より疎水性となります。これにより生細胞の細胞膜を介したアクセスが容易となり、染色性が向上します。第二に、ヘキスト染色は毒性が低く、細胞機能への影響を最小限に抑えます。ヘキスト染色では、ヘキスト33258とヘキスト33342が最も一般的に使用されています。これらの2つの染料は、どちらも約350 nmで励起し、約460 nmで最大発光の青/シアン蛍光を発するという点で似ています。それらのスペクトルのため、これらはDAPIの良い代替品として機能しています。

最近では、dsDNAの感度と選択性が高いプローブの開発に重点が置かれています。ここでHelixyte™Greenの開発について言及します。 Helixyte™Greenは、DAPIおよびヘキストと同様に、DNAの副溝に結合しますが、これら第1世代のdsDNA色素よりも大幅に改良が施されています。
まずHelixtye™Greenは選択性が大幅に向上しています。DAPIとは異なり、RNAへの結合はごくわずかです。また、ヘキスト33258と比較して、Helixyte™Greenは、ホモポリマー、すなわち、塩基対が繰り返されるdsDNAの領域(AAAA、TTTなど)への結合が改善されています。感度に関して、Helixyte™Greenは、ssDNA、RNAおよび遊離ヌクレオチドが存在する場合でも、わずか25pg/mLのdsDNAを選択的に検出します。これは、Hoechst 33258の約400倍の感度になります。

子牛胸腺DNAの用量反応

図1. Helixyte Green™による子牛胸腺DNAの用量反応
黒96ウェルマイクロプレート、及びGemini蛍光マイクロプレートリーダーを使用した。

死細胞のイメージング

図2. Nuclear Blue™DCS1(品番:17548)による死細胞のイメージング
96ウェルプレートに播種し固定したHeLa細胞を、2.5 µM Nuclear Blue™DCS1で20分間インキュベートし、DAPIチャネルでイメージングした。

RNAの検出

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図3. StrandBrite™ Green Fluorimetric RNA Quantitation Kit *High Selectivity*(品番:17657)によるRNA用量反応
黒96ウェルマイクロプレート、及びGemini蛍光マイクロプレートリーダーを使用した。

dsDNA検出が明らかに進歩したことから、RNA検出にも大きな進歩がありました。StrandBrite™Greenは、蛍光マイクロプレートリーダーなどの機器を使用して、アッセイ溶液中のRNAを5 ng/mLまで検出できる蛍光プローブです。
RNA選択性を決定するために、標準的なDNaseおよびRNase消化試験を実施しました。 DNase消化後、StrandBrite™Greenで染色された固定細胞は、初期の蛍光強度に大きな変化を示しませんでしたが、RNase消化後では初期の蛍光シグナルは即座に劇的に減少しました。これは、StrandBrite™Greenに由来する蛍光シグナルが、細胞内のプローブとRNA間の相互作用の結果であるということを示唆しています。

優れた細胞透過性とスペクトル特性により、StrandBrite™Greenは、生細胞でのフローサイトメトリーベースのRNA分析や蛍光顕微鏡観察に使用されています。 488 nmのアルゴンイオンレーザーで励起され、標準のFITCチャネルフィルターで蛍光を検出するため、RNAの定量に非常に便利なツールです。

表1.AAT bioquest社(ABD社)の核酸検出試薬
品名 Ex (nm) Em (nm) 品番 サイズ
DAPI [4,6-Diamidino-2-phenylindole, dihydrochloride] *CAS# 28718-90-3* 358 461 17510 1 mg
Helixyte™ Green dsDNA Quantifying Reagent *200X DMSO Solution* 501 520 17597 1 mL
Helixyte™ Green Fluorimetric dsDNA Quantitation Kit *High Sensitivity* 501 520 17651 200 tests
Helixyte™ Green Fluorimetric dsDNA Quantitation Kit *Optimized for Microplate Readers* 501 520 17650 200 tests
Hoechst 33342 *CAS# 23491-52-3* 350 461 17530 100 mg
Nuclear Blue™ DCS1 350 461 17548 0.5 mL
Nuclear Orange™ DCS1 528 576 17551 0.5 mL
Nuclear Red™ DCS1 642 660 17552 0.5 mL
StrandBrite™ Green Fluorimetric RNA Quantitation Kit 500 525 17656 100 tests
StrandBrite™ Green Fluorimetric RNA Quantitation Kit *High Selectivity* 508 528 17657 100 tests
StrandBrite™ Green Fluorimetric RNA Quantitation Kit *Optimized for Microplate Readers* 500 525 17655 1,000 tests
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