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発生におけるTGF-βシグナル伝達

TGF-β Signaling in Development

Connections Maps

Sci. STKE, 14 August 2007 Vol. 2007, Issue 399, p. cm1
[DOI: 10.1126/stke.3992007cm1]

Krit Kitisin1, Tapas Saha1, Tiffany Blake1, Nady Golestaneh1, Merlyn Deng1, Christine Kim1, Yi Tang1, Kirti Shetty1, Bibhuti Mishra1, and Lopa Mishra1,2*

1Laboratory of Cancer Genetics and Digestive Diseases, Department of Surgery, Department of Medicine, and Lombardi Comprehensive Cancer Center, Georgetown University, Washington, DC 20007, USA.
2Department of Veterans Affairs Medical Center, Washington, DC 20007, USA.
*Corresponding author. E-mail, lopamishra@yahoo.com

要約  トランスフォーミング増殖因子-b(TGF-β)スーパーファミリーには、TGF-β、アクチビン、インヒビン、骨形成タンパク質(BMP)など30種類近くの増殖因子と分化因子が含まれる。TGF-βスーパーファミリーの複数のメンバーが、幹細胞の運命決定に重要な役割を果たす。このファミリーの種々のメンバーは、胚性幹細胞(ES細胞)の生物学の調節や腫瘍の抑制においてそれぞれに異なる役割を果たす可能性がある。たとえば、TGF-βは多能性造血前駆細胞の増殖を阻害し、神経前駆細胞の系統決定を促進し、上皮性腫瘍を抑制する。BMPはマウスやヒトのES細胞の神経への分化を阻害し、マウスES細胞の自己複製に寄与するとともに、腫瘍形成を抑制する。ES細胞と腫瘍は、複数のTGF-βファミリーメンバーと接触する可能性があり、幹細胞の運命を厳密に決定するのは、増殖因子と細胞内シグナル伝達経路間のクロストークとの組み合わせであると考えられる。Database of Cell Signaling内のこのConnections Map Pathwayでは、TGF-βとBMPからのシグナル伝達だけでなく、リガンドであるノーダルとアクチビンからのシグナル伝達もまとめられており、これらのリガンドによって活性化されるシグナル伝達経路が哺乳動物の発生において果たす役割が説明されている。ここで示された関係に関する証拠の多くは、マウスES細胞やヒトES細胞、あるいはノックアウトマウスを用いた研究から得られたものである。この経路は、幹細胞の生物学を解明するために重要であるだけでなく、癌の抑制または増悪に関与する可能性があることから治療的介入の標的候補となる、TGF-βおよびBMPシグナル伝達のエフェクター分子を理解するためにも重要である。

K. Kitisin, T. Saha, T. Blake, N. Golestaneh, M. Deng, C. Kim, Y. Tang, K. Shetty, B. Mishra, L. Mishra, TGF-β Signaling in Development. Sci. STKE 2007, cm1 (2007).

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