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発生生物学 行動および陰門発生

DEVELOPMENTAL BIOLOGY:
Behavior and Vulval Development

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2003, Issue 198, pp. tw337, 2 September 2003.
[DOI: 10.1126/stke.2003.198.tw337]

要約 : 線虫Caenorhabditis elegansの陰門発生は、細胞運命を決定するシグナル制御を研究するためのモデルである。Notch様経路およびWnt経路と同様に、Ras‐マイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路を刺激する上皮成長因子受容体様のチロシンキナーゼ(LET-23)は、陰門発生に寄与する。Gαq相同体であるEGL-30の機能獲得型変異は、まれに異所性の陰門組織を示した。また、これらの線虫は、過剰な運動および産卵行動を示している。Moghalらは、遺伝学的解析および組織特異的遺伝子発現を用いることにより、運動ニューロンに発現させたEGL-30が陰門発生の誘発を促進することを示した。EGL-30が陰門発生を促進するためには、L型電位依存性カルシウムチャネル(EGL-19)が体壁筋に発現していることが必要であった。EGL-30が、LET-23経路を介して作用していないようであったが、EGL-30による陰門発生は、Wnt経路のβ‐カテニン(BAR-1)の喪失により阻害された。行動調節性の陰門発生と一致して、egl-30における機能喪失型変異は、固体培地で培養した線虫の陰門発生には影響しなかったが、液体培地で培養した線虫の陰門発生を阻害した。液体中では、これらの線虫は、固体培地で培養した線虫において観察された運動性に比べ、非常に活発な運動性を示している。以上のことから、著者らは、環境条件に応じた行動変化が、細胞運命の特定に関与している可能性があることを提唱している。

N. Moghal, L. R. Garcia, L. A. Khan, K. Iwasaki, P. W. Sternberg, Modulation of EGF receptor-mediated vulva development by the heterotrimeric G-protein Gq and excitable cells in C. elegans. Development 130, 4553-4566 (2003).

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