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核内受容体:転写サイクル

NUCLEAR RECEPTORS:
A Transcription Cycle

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2003, Issue 213, pp. tw483, 16 December 2003.
[DOI: 10.1126/stke.2132003tw483]

要約 : 核内エストロゲン受容体による遺伝子発現の調節は、リガンドの結合に応答して活性化されて、多タンパク質複合体の会合および集合に関与する。Métivierらは、pS2遺伝子プロモーターを、ヒトエストロゲン受容体αにより活性化される遺伝子のモデルとして用いた。クロマチン免疫沈降(CHIP)法を用いて、研究者らは、エストロゲン存在下でプロモーターに結合する30種類を超えるタンパク質を見出したが、それらの相互作用の多くは相互に排他的であった。形成された複合体は6種類に分類できた。タンパク質複合体集合の順序を解析するために、非活性化基本プロモーターからすべての結合タンパク質を取り除き、局所のヒストンをα-amanitinで細胞を同調することにより脱アセチル化した。動的CHIP解析を実施して複合体集合の順序を決定し、同時にヒストン修飾もモニターした。この解析により、3種類の順序化された複合体集合、複合体分解、クロマチン修飾のサイクルが同定され、研究者らはそれを、ある転写不活性なサイクルの形成に続いて2つの異なる転写活性なサイクルが形成されるというモデルで示した。

R. Métivier, G. Penot, M. R. Hübner, G. Reid, H. Brand, M. Ko?, F. Gannon, Estrogen receptor-α directs ordered, cyclical, and combinatorial recruitment of cofactors on a natural target promoter. Cell 115, 751-763 (2003).

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