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癌生物学:LIGHTによる腫瘍のイルミネーション(彩飾)

CANCER BIOLOGY:
Illuminating Tumors with LIGHT

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CANCER BIOLOGY:
Illuminating Tumors with LIGHT

要約 : 腫瘍が衰えることなく増殖し続ける一つの理由は、免疫系がそれらに対する応答を開始できないことである。固形腫瘍は、癌細胞だけでなく、間質という形で組織を支える配役からも構成されており、それには線維芽細胞や脈管構造が含まれる。腫瘍壊死スーパーファミリーの一員であるLIGHTは、間質細胞のリンホトキシンβ受容体(LTβR)に結合し、ケモカインおよび接着分子の発現を活性化する。また、LIGHTはT細胞にも結合して、T細胞プライミングの共刺激シグナルとなる。Yuらは、腫瘍細胞(T細胞エピトープであるH-2Ldを発現するAg104線維肉腫)に細胞表面の発現を増加させるためにタンパク質分解に抵抗性を持たせたLIGHTを発現させると、宿主マウスへの注入に対して拒絶反応を促進することを見出した。LIGHTを発現している腫瘍に曝露したマウスはその後、Ag104Ld腫瘍、さらにLIGHTを発現していない腫瘍に対しても拒絶反応を示した。また、Ag104Ld腫瘍が定着しているマウスも、Ag104Ld-LIGHT細胞を腫瘍に注入するか、または遠位の非腫瘍性部位に注入したところ、腫瘍の退縮を示した。CD8+ T細胞を欠損させるか、または腫瘍を注入したマウスを、LIGHTが間質LTβRに結合するのを競合するLTβR免疫グロブリン融合タンパク質に曝露したところ、腫瘍の増殖が進んだ。拒絶反応前のマウス由来Ag104Ld-LIGHT腫瘍の解析により、間質は活性化されて、いくつかのケモカインおよび接着分子MAdCAM-1を産生することが示された。さらに、ナイーブT細胞は腫瘍に会合し、活性化された。以上より、LIGHTが腫瘍集団で発現していることで、免疫系は、異常細胞に対する防御という身体本来の機構を促進する応答を開始できると考えられる(解説はHoughton参照)。

P. Yu, Y. Lee, R. K. Chin, J. Wang, Y. Wang, A. Schietinger, M. Philip, H. Schreiber, Y.-X. Fu, Priming of naive T cells inside tumors leads to eradication of established tumors. Nat. Immunol. 5, 141-149 (2004).

A. L. Houghton, LIGHTing the way for tumor immunity. Nat. Immunol. 5, 123-124 (2004).

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