• ホーム
  • 酸化ストレス 真核生物のレドックス・センサー

酸化ストレス 真核生物のレドックス・センサー

IOXIDATIVE STRESS:
Eukaryotic Redox Sensor

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 241, pp. tw246, 13 July 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2412004tw246]

要約 : 細胞は抗酸化酵素を用いて、H2O2を始めとする活性酸素種(ROS)などによる有害な酸化ストレスに対抗する。真核細胞は、JNK-p38ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK)シグナル伝達経路も活性化し、さまざまなストレス条件に応答して特定の遺伝子発現を誘導する。ただし、細胞がストレスに応じてこの経路を活性化する機構は明らかになっていない。Vealらは、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)において、Tpx1と呼ばれるチオレドキシンペルオキシダーゼが、H2O2に応答してSAPKのホモログであるSty1を直接活性化するレドックス・センサーとして機能することを報告している。過酸化物に曝露すると、Tpx1とSty1との間に特定の分子間ジスルフィド結合が形成され、sty1および下流の標的遺伝子の発現を活性化する。この効果は、酸化ストレスに特異的であり、浸透圧ストレスでは生じない。このTpx1のシグナル伝達機能は、酵素活性を欠損させた変異体においても維持されていた。Wis1と呼ばれるマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼの活性を制御する二成分シグナル伝達経路(two-component signaling pathway)も、過酸化物応答性のSty1の活性化に関与すると考えられている。Wis1を欠損させた変異株においてTpx1を過剰発現させた際に、H2O2応答性のSty1の活性化が生じなかったことは、Tpx1-Sty1シグナル伝達経路にはWis1が必要であることを示している。Tpx1が属するチオレドキシンペルオキシダーゼのファミリーは、真核生物で高く保存されていることから、これらのタンパク質が哺乳類細胞におけるレドックスの感知に関与している可能性が示唆される。

E. A. Veal, V. J. Findlay, A. M. Day, S. M. Bozonet, J. M. Evans, J. Quinn, B. A. Morgan, A 2-Cys peroxiredoxin regulates peroxide-induced oxidation and activation of a stress-activated MAP kinase. Mol. Cell 15, 129-139 (2004).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る