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翻訳後修飾 摂餌量の制御に関与するα-MSHのアセチル化

POSTTRANSLATIONAL MODIFICATIONS:
Acetylation of α-MSH Involved in Regulating Food Intake

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 246, pp. tw290, 17 August 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2462004tw290]

要約 : レプチンが摂餌量を阻害する経路の一つは、プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンの刺激によるもので、このニューロンは、POMC由来の生理活性ペプチドであるα-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)を産生する。Guoらは、マウスおよびラットの視床下部には脱アセチル化α-MSH(Des-α-MSH)およびアセチル化α-MSH(Act-α-MSH)が含まれており、野生型またはレプチン欠損型のob/obマウスにレプチンを注射すると、Act-α-MSHの量が増加することを示している。レプチン処理マウスまたは未処理マウス由来の視床下部タンパク質抽出物を生化学解析したところ、レプチンは外因的に投与されたDes-α-MSHのAct-α-MSHへの変換を増加させたことから、レプチンは視床下部におけるN-アセチルトランスフェラーゼの活性を刺激すると考えられる。Act-α-MSHは、Des-α-MSHより強力にラットの摂餌量を阻害することが知られており、この知見はGuoらにより再現された。一方、Guoらは、トランスフェクトした細胞系を用いて、ホスホジエステラーゼ阻害剤が存在しない場合(以前Act-α-MSHおよびDes-α-MSHのメラノコルチン4受容体(MC4R)活性化能の分析に用いた条件はこうした阻害剤を含んでおり、2つのリガンドの活性に違いがないことが示された)、Act-α-MSHはより強力にcAMP(アデノシン3’,5’一リン酸)の産生を刺激することを実証している。2つのリガンドの活性の違いは、それらの相対的な安定性にあるようである。実際に、マウス脳やラット脳に注射した場合、培養細胞の存在下で培地に添加した場合のいずれにおいても、Des-α-MSHは恐らく分解されたためにすぐに検出できなくなったが、Act-α-MSHはより長期間残留していた。以上より、レプチンに刺激された視床下部N-アセチルトランスフェラーゼによるα-MSHの翻訳後プロセシングは、摂餌量を制御する下流のシグナルに関与する、安定したAct-α-MSHの産生をもたらす。

L. Guo, H. Münzberg, R. C. Stuart, E. A. Nillni, C. Bjørbæk, N-acetylation of hypothalamic α-melanocyte-stimulating hormone and regulation by leptin. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101, 11797-11802 (2004).

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