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神経ペプチド NPSで覚醒するが、不安にはならない

NEUROPEPTIDES:
Alert But Not Anxious with NPS

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 247, pp. tw298, 24 August 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2472004tw298]

要約 : Xuらは、近頃リガンドが同定されたGタンパク質共役受容体(GPCR)‐ペプチドリガンド対の生理学的機能および解剖学的局在を調べ、著者らがニューロペプチドS(NPS、SはN末端が保存されたセリンであることを示す)と名付けたこのペプチドに、覚醒を促進するとともに不安を軽減する珍しい効果があることを示す証拠を得た。ナノモル濃度のヒト、ラット、マウスNPSは、NPS GPCRを安定にトランスフェクトしたヒト胚性腎臓細胞(HEK)293 Tおよびチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)の細胞内カルシウム濃度を上昇させたことから、この受容体がGqタンパク質を活性化することが示唆される。著者らは、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を用いて、NPSとその受容体は、甲状腺、唾液腺、乳腺のほか、脳でも高発現していることを示した。NPS前駆体、チロシン水酸化酵素、コルチコトロピン放出因子(CRF)に対してin situハイブリダイゼーションを行ったところ、青斑核(LC、ノルエピネフリン産生ニューロンを特徴とする)とBarrington核(CRF産生ニューロンを特徴とする)のあいだに、これまで確認されていなかった、脳橋におけるNPS産生ニューロンの集団が存在することが明らかになった。NPS受容体mRNAは、扁桃体、視床、視床下部などのさまざまな脳領域に存在していた。NPSを脳室内に投与したところ、マウスでは自発運動が促進され、ラットでは徐波睡眠およびレム睡眠が減少した(覚醒の促進を示す)。また、NPSは、抗不安活動に関連したマウスの数種類の行動も促進した。著者らは、過度の不安や睡眠障害がしばしばうつ病に関係していることに言及している。KoobとGreenwellは、ニコチンにも同様に覚醒作用および抗不安作用があることに言及し、その背景をPreviewで概説している。

Y.-L. Xu, R. K. Reinscheid, S. Huitron-Resendiz, S. D. Clark, Z. Wang, S. H. Lin, F. A. Brucher, J. Zeng, N. K. Ly, S. J. Henriksen, L. de Lecea, O. Civelli, Neuropetide S: A neuropeptide promoting arousal and anxiolytic-like effects. Neuron 43, 487-497 (2004).

G. F. Koob, T. N. Greenwell, Neuropeptide S: A novel activating anxiolytic? Neuron 43, 441-442 (2004).

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