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創薬 カスパーゼのアロステリック部位阻害剤

DRUG DISCOVERY:
Allosteric Site Inhibitors for Caspases

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 248, pp. tw306, 31 August 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2482004tw306]

要約 : 酵素活性を持つタンパク質の活性部位は、必ずしもドラッグターゲティングに適するとは限らない。Hardyらは、「テザリング(Tethering)」と呼ばれる手法を適用して、アポトーシスの実行カスパーゼ、カスパーゼ-3のアロステリック部位阻害剤を同定したと報告している。テザリングは、市販されている手法で、可逆的なジスルフィド結合形成を用いて、チオール含有化合物ライブラリと相互作用が可能なシステインを同定する。2つの化合物(DICAおよびFICA)は、カスパーゼ二量体会合面の空洞にある保存されたシステインと結合した。このシステインはカスパーゼ-7にも存在し、これら2つの阻害剤はカスパーゼ-3、カスパーゼ-7のいずれにも結合して、それらの触媒活性を阻害した。カスパーゼ-7の結晶構造をこれらの阻害剤とともに解析したところ、これら2つの阻害剤は、異なる配向性でカスパーゼに結合したが、このタンパク質に同じ高次構造の変化を誘導することが示された。これらの阻害剤は、切断され活性化されたカスパーゼに酵素前駆体様(プロカスパーゼ様)の高次構造を誘導した。これら2つの阻害剤が結合した空洞は、イニシエーターカスパーゼや炎症性カスパーゼなどの他のカスパーゼにもみられる。以上より、著者らは、このドメインが今までに同定されていない未同定の内在性制御因子のアロステリック部位として機能しているのではないかと推測している。

J. A. Hardy, J. Lam, J. T. Nguyen, T. O'Brien, J. A. Wells, Discovery of an allosteric site in the caspases. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101, 12461-12466 (2004)

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