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TRPチャネル TRPを膜へと移動させる

TRP CHANNELS:
Moving TRPs to the Membrane

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 249, pp. tw313, 7 September 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2492004tw313]

要約 : Singhらは、TRP(transient receptor potential)ファミリーのカチオンチャネルが、Gタンパク質共役受容体のリガンド刺激に応じて細胞膜へとダイナミックに挿入されることが、受容体チロシンキナーゼの活性化に続き近頃明らかになったと報告している。著者らは、酵母two-hybridスクリーニング法において、TRPC3のN末端ドメインと相互作用するタンパク質として、エキソサイトーシスに関与するVAMP2 (vesicle-associated membrane protein 2) およびaSNAP (a soluble N-ethylmaleimide sensitive factor attachment protein) を同定した。エキソサイトーシスに関与するタンパク質との相互作用は、トランスフェクトされた細胞で異種発現するタンパク質およびラット脳で内因的に発現するタンパク質において確認された。表面ビオチン標識化実験において、TRPC3を発現しているヒト胚性腎293(HEK293)細胞をGタンパク質共役受容体リガンドであるカルバコールに曝露したところ、細胞表面のTRPC3が増加し、この細胞膜への挿入はVAMP2を破傷風毒素で切断することにより阻害された。著者らは、蛍光指示薬でカルシウム流入を測定し、このチャネルが機能していることを確認した。以上より、TRPC3の調節性挿入は、アゴニストによって刺激されるTRP活性およびカルシウムのシグナル伝達に寄与すると考えられる。

B. B. Singh, T. P. Lockwich, B. C. Bandyopadhyay, X. Liu, S. Bollimuntha, S. C. Brazer, C. Combs, S. Das, A. G. Leenders, Z.-H. Sheng, M. A. Knepper, S. V. Ambudkar, I. S. Ambudkar, VAMP2-dependent exocytosis regulates plasma membrane insertion of TRPC3 channels and contributes to agonist-stimulated Ca2+ influx. Mol. Cell 15, 635-646 (2004).

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