免疫 動き回る受容体

IMMUNOLOGY:
Receptors on the Move

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 262, pp. tw437, 7 December 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2622004tw437]

要約 : 免疫系のT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞が標的細胞と相互作用するとき、シグナル伝達分子は、免疫学的シナプスとして知られる構造において細胞膜に蓄積する。シグナルだけでなくタンパク質も、こうした接点で相互作用する細胞の間を転移されるという証拠が集まっている。NK細胞は、自己に対する主要組織適合性複合体(MHC)分子を表面に発現する細胞から抑制シグナルを受け取る。NK細胞は標的細胞との相互作用に際して、MHCクラスIタンパク質を実際に獲得できることが以前に示されている。このたび、Vanherberghenらは、この交換は両方向に進み、NK受容体はMHCクラスIリガンドを発現する細胞へと転移することを示している。著者らは、ビオチン化したキラーIg様受容体(KIR)KIR2DL1の転移を免疫ブロット法によって、また緑色蛍光タンパク質で標識した受容体を蛍光活性化細胞選別法または共焦点レーザー顕微鏡法によってモニターし、KIRの移動を観察した。NK細胞の受容体であるLy49Aは、同族のMHCクラスIリガンドを発現する標的細胞に対してのみ転移された。転移された受容体がどのような機能を果たしているのかは分かっていないが、著者らは興味深い提案を行っている。NK受容体は、既にNK細胞によってスキャンされた標的細胞をマークしている可能性があり、NK細胞が同じ細胞を再びスキャンすることを避けるためにこうしたマーカーを用いることができるならば、NK細胞による監視はより効率的になるであろう。

B. Vanherberghen, K. Andersson, L. M. Carlin, E. N. M. Nolte-`t Hoen, G. S. Williams, P. Hoglund, D. M. Davis, Human and murine inhibitory natural killer cell receptors transfer from natural killer cells to target cells. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101, 16873-16878 (2004). [Abstract] [Full Text]

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る