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概日リズム 向こうの時計が早く進む

CIRCADIAN RHYTHMS:
Hey, That Clock Is Fast

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 278, pp. tw122, 5 April 2005.
[DOI: 10.1126/stke.2782005tw122]

要約 : 「夜遅くまで働く」ことを好む人には、概日リズムを定める生化学的機構に関与するプロテインキナーゼ、CKI(カゼインキナーゼI)によるシグナル伝達が欠損したヒトの行動を想像するのは難しいかもしれない。この欠損を持つヒトは、早い時間に眠りにつき、朝早く起床する。FASPS(家族性睡眠相前進症候群)として知られるこの睡眠症候群の背後にある分子メカニズムを探るため、Xuらは、FASPSを持つ家族のCKIδ遺伝子における変異の特徴を調べた。コードされたキナーゼは、in vitroにおいて触媒活性が減少していた。この変異を発現するよう操作したトランスジェニックマウスは、前述のヒト患者と同様、通常より短い概日周期を持っていた。このことより、著者らは、CKIδが哺乳類の体内時計の重要な構成要素であるという結論に達した。一般に、体内時計の構成要素はヒトとショウジョウバエの間で進化的に保存されており、類似のリン酸化メカニズムにより制御されるが、変異CKIを発現するトランスジェニックハエを作製したところ、実際にハエの概日周期が長くなった。以上より、「部品リスト」が似ているとはいえ、ハエと哺乳類における体内時計の組立は異なるようである。とはいえ、両メカニズムは、これらの動物に類似の時間調整機能を付与している。

Y. Xu, Q. S. Padiath, R. E. Shapiro, C. R. Jones, S. C. Wu, N. Saigoh, K. Saigoh, L. J. Ptàček, Y.-H. Fu, Functional consequences of a CKIδ mutation causing familial advanced sleep phase syndrome. Nature 434, 640-644 (2005). [PubMed]

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