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生化学 電位制御ホスファターゼ

BIOCHEMISTRY:
Voltage-Regulated Phosphatase

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 291, pp. tw241, 5 July 2005.
[DOI: 10.1126/stke.2912005tw241]

要約 : ホヤ(Ciona intestinalis)ゲノムの調査により、イオンチャネルおよびホスファターゼの両方に対して配列類似性を有する珍しい分子、C. intestinalis電位センサー含有ホスファターゼ、略してCi-VSPが見つかった。Murataらは、このタンパク質の特徴を明らかにし、このタンパク質が実際に膜貫通ホスファターゼであり、その酵素活性は細胞膜を介する膜電位の変化により制御されることを示した。Ci-VSPとチャネルとの配列類似性には、電位制御カリウムチャネルの電位感知部分との類似性が含まれる。Ci-VSPの触媒部位は脂質ホスファターゼのPTENと類似しており、著者らはCi-VSPがin vitroにおいてホスファチジルイノシトール‐3,4,5‐三リン酸[PtdIns(3,4,5)P3]を脱リン酸化することを示した。Murataらは、Ci-VSPを発現するアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞において、脂質ホスファターゼ活性のセンサーとして、内向き整流カリウムチャネル(PtdIns(4,5)P2により制御される)を発現させた。これらの実験により、Ci-VSP活性の電位依存性の制御が明らかになった。カリウムチャネルの電位センサーの挙動によるチャネル開放の制御の理解に向けて、これまで多くの取り組みが行われてきた。Murataらの結果は、類似のセグメントを用いて酵素活性を制御しているメカニズムを検討するうえで、新たな扉を開くものだ。

Y. Murata, H. Iwasaki, M. Sasaki, K. Inaba, Y. Okamura, Phosphoinositide phosphatase activity coupled to an intrinsic voltage sensor. Nature 435, 1239-1243 (2005). [PubMed]

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