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活性酸素種 Srcのレドックス調節

REACTIVE OXYGEN SPECIES:
Redox Regulation of Src

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 294, pp. tw269, 26 July 2005.
[DOI: 10.1126/stke.2942005tw269]

要約 : Giannoniらは、付着細胞におけるチロシンキナーゼSrcの新たな調節の証拠を提示している。Srcの活性はリン酸化により制御されるが、Giannoniらは、酸化もまた重要な役割を果たしているのではないかと提案している。BIAM(N-(ビオチノイル)-N’-(ヨードアセチル)エチレンジアミン)試薬を用いて、グルコースオキシダーゼへの曝露による酸化ストレスを受けた細胞における酸化されたタンパク質を検出した。細胞外基質のフィブロネクチンにインテグリンが結合すると、細胞内での活性酸素種(ROS)の生成が起こる。また、著者らは上記の手法などを用いて、フィブロネクチン上で培養した3T3細胞におけるSrcのシステイン残基の酸化も示した。この酸化はキナーゼの活性化と相関し(自己リン酸化により観察した)、細胞をノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)で処理してROSの生成を妨げると、キナーゼ活性の上昇が阻害された。Giannoniらは、保存されたシステイン残基の変異体を作成して修飾される特定のシステインを同定し、2つの主要なシステインを欠損する変異体は、フィブロネクチンに接着する細胞において、酸化も活性化もされないことを示した。Srcはがん原遺伝子であり、培養細胞中でSrcの発がん性変異体を過剰発現させると形質転換が誘導された。一方、システイン変異を追加して酸化をうけなくすると、発がん性タンパク質が培養液中で細胞を形質転換する能力が阻害された。著者らは、Srcのレドックス調節は、よりよく知られているリン酸化による調節とともに、正常細胞およびがん細胞において、キナーゼの多くの作用を調節しているのではないかと述べている。

E. Giannoni, F. Buricchi, G. Raugei, G. Ramponi, P. Chiarugi, Intracellular reactive oxygen species activate Src tyrosine kinase during cell adhesion and anchorage-dependent cell growth. Mol. Cell. Biol. 25, 6391-6403 (2005). [Abstract] [Full Text]

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