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核内受容体 核内受容体リガンドは気体である

NUCLEAR RECEPTORS:
Nuclear Receptor Ligand Is a Gas

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 296, pp. tw284, 9 August 2005.
[DOI: 10.1126/stke.2962005tw284]

要約 : 核内受容体はリガンド調節性転写因子として機能するが、このファミリーの多くのメンバーに関してリガンドは不明である。Reinkingらによる細部にわたる探索研究の前には、ショウジョウバエの18の核内受容体タンパク質のうち、リガンドが同定されているのはひとつだけであった。この問題を解明し、著者らがE75として知られる受容体の予想外のパートナーを突き止める手掛かりとなったのは、精製タンパク質の血の色に似た赤色であった。電子吸収および質量分析法により、この受容体は強固に結合したヘム基を有することが明らかになった。さらなる解析により、著者らはこの受容体複合体の3つの機能を提案した。まず、ヘムはE75タンパク質の安定性に必要であり、E75は細胞内ヘム濃度のセンサーとして機能する。ヘムを含有するタンパク質は気体と結合することがよく知られており、E75も例外ではない。分光測定によりCOあるいはNOのE75への結合が検出され、変性試験により、COの結合によってこのタンパク質が安定化されることが示された。E75はもう一つの核内受容体HR3と相互作用し、HR3による標的遺伝子の活性化を阻害する。COの結合によって、HR3由来のペプチドとE75との相互作用が阻害された。機能上、細胞をNO供与剤で処理すると、E75のHR3誘導性転写に対する阻害作用が緩和された。すなわち、E75がCOおよびNOを細胞内シグナル伝達分子として感知することが第2の可能性として考えられた。最後に、還元型のE75だけがHR3ペプチドとの相互作用により安定化されたことから、E75はレドックスセンサーとしても機能するかもしれない。著者ら(ならびにコメンテーターのThummel)は、発生・代謝から日内変動に至るまで、E75による制御の標的となる可能性がある各種の生物学的プロセスについて論じている。

J. Reinking, M. Lam, K. Pardee, H. Sampson, S. Liu, P. Yang, S. Williams, W. White, G. Lajoie, A. Edwards, The nuclear receptor E75 contains heme and is gas responsive. Cell 122, 195-207 (2005). [PubMed]
C. Thummel, Powered by gas: A ligand for a fruit fly nuclear receptor. Cell 122, 151-153 (2005). [PubMed]

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