発生 細胞増殖の幾何学

DEVELOPMENT:
Geometry of Cell Proliferation

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 298, pp. tw304, 23 August 2005.
[DOI: 10.1126/stke.2982005tw304]

要約 : 細胞増殖の局所的差異は、形態形成時に組織を形作る手助けをすることができ、成熟組織にみられる複雑な構造をもたらす。ところが、時として組織構造の変化は細胞増殖の変化に先駆けておきる(Ingber参照)。空間的構造自体が細胞増殖の調節を助けるフィードバック機構として作用するという可能性を探るため、Nelsonらは、非付着性の領域に囲まれ、フィブロネクチンでコートされた小さな島からなる基質上で、ウシ肺動脈内皮細胞を培養した。異なるサイズや形状の島における増殖パターン、もしくは起伏する表面で増殖させた細胞を調べることにより、全体の幾何学に依存する特徴的な細胞増殖パターンが明らかになった。コンピュータモデリングにより、細胞増殖は高い機械的ストレスが予想される領域において最大となることが示され、この相関は、牽引力を直接測定できるマイクロメカニカルフォースセンサーアレイの上で細胞を培養することにより確認された。Rhoキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、または非筋肉ミオシンII ATPaseの薬理学的阻害(細胞骨格を介して生成される張力を減少させる)、もしくはドミナントネガティブ変異体によるカドヘリンを介する細胞間接着の破壊は細胞増殖の勾配を減弱したのに対して、恒常活性型のRhoA変異体の発現はそれらを増強した。以上より、組織幾何学は、機械的ストレスに影響を及ぼすことにより、細胞増殖および組織成長を調節する役割を担うと著者らは結論づけている。

C. M. Nelson, R. P. Jean, J. L. Tan, W. F. Liu, N. J. Sniadecki, A. A. Spector, C. S. Chen, Emergent patterns of growth controlled by multicellular form and mechanics. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 102, 11594-11599 (2005). [Abstract] [Full Text]
D. E. Ingber, Mechanical control of tissue growth: Function follows form. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 102, 11571-11572 (2005). [Full Text]

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