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免疫学 外来DNAと自己を識別する

IMMUNOLOGY: Distinguishing Self from Foreign DNA

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 316, pp. tw458, 3 January 2006
[DOI: 10.1126/stke.3162006tw458]

要約 : Toll様受容体(TLR)は、病原体に付随するする保存されたモチーフを認識することにより、「非自己」と「自己」を識別して免疫応答を開始させる。細菌や菌類の構造を認識するTLRは細胞膜に存在するのに対し、細菌やウイルスの核酸を認識するTLRは細胞の内部に局在する(Bauer参照)。Bartonらは、TLR9の細胞内局在の機能的重要性について調べた。TLR9は、細胞やウイルスのDNA中に頻繁に見られる非メチル化CpGモチーフを有するDNAにより活性化される。CD4の細胞外ドメインおよびTLR9あるいはTLR4(細胞膜に局在化する)の膜貫通ドメインあるいはサイトゾルドメインを有するキメラ受容体の免疫蛍光解析により、局在化はTLR膜貫通ドメインに依存することが明らかになった。TLR9の細胞外ドメインおよびTLR4のサイトゾルドメインと膜貫通ドメインを有するキメラ受容体(TLR9N4C)は、細胞表面に局在化していた。HEK293T細胞において発現させ、CpGオリゴヌクレオチド(CpG DNA)で刺激したところ、TLR9N4CはTLR9と同じくらいの効率でNF-κB-ルシフェラーゼレポーターを活性化した。さらに、TLR9N4CのCpG DNAに対する応答は、TLR9の応答とは異なり、エンドソーム酸性化の薬理学的阻害に対して感受性を示さなかった。同様に、TLR9N4Cを発現する樹状細胞は、TLR9を発現する細胞と同じくらい有効にCpG DNAに応答した。ところが、TLR9N4Cを発現する樹状細胞は、TLR9を発現する細胞とは異なり、単純ヘルペスウイルス2(HSV-2)には応答しなかった。また、TLR9N4Cを発現するマクロファージは、細胞外の哺乳類DNAに曝露することで活性化されたが、TLR9を発現するマクロファージは活性化されなかった。以上より、TLR9の細胞内局在化は、ウイルス核酸と自己との識別能にとって重要なのではないかと著者らは述べている。

G. M. Barton, J. C. Kagan, R. Medzhitov, Intracellular localization of Toll-like receptor 9 prevents recognition of self DNA but facilitates access to viral DNA. Nat. Immunol 7, 49-56 (2006). [PubMed]
S. Bauer, Toll-erating self DNA. Nat. Immunol 7, 13-15 (2006). [PubMed]

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