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免疫学 Golli、T細胞活性化を調節する新しいメカニズム

IMMUNOLOGY:
Golli, a New Mechanism for Regulating T Cell Activation

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 342, pp. tw219, 3 July 2006.
[DOI: 10.1126/stke.3422006tw219]

要約 : Golliタンパク質は、ミエリン塩基性タンパク質(神経系にのみ存在する)をコードする遺伝子から、選択的スプライシングにより生成される。このタンパク質は、神経系のみならず、免疫組織でも発現している。Fengらは、GolliがT細胞活性化を負に調節することをかつて示したが、その未解明のメカニズムがカルシウム流入の阻害に関係することを明らかにした。CD3に対する抗体(抗CD3)または抗CD3と抗CD28を用いて刺激すると、Golli欠損T細胞は野生型細胞よりも多く増殖した。このことと一致して、抗CD3と抗CD28を用いて刺激したGolli欠損細胞は、野生型細胞よりも多くのインターロイキン‐2を産生した。抗CD3による刺激に応答する細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)やc-Jun-N末端キナーゼ(JNK)活性化は、Golli欠損細胞と野生型T細胞との間で違いはなかった。しかし、細胞内カルシウム濃度の上昇は亢進した。細胞外カルシウム、タプシガルジン、あるいはその両方の存在下,あるいは非存在下でのカルシウムイメージングにより、Golliはストア感受性カルシウムチャネルを介するカルシウム流入を阻害することが示唆された。さらに、Golli欠損細胞のパッチクランプ解析により、ストア枯渇に応じて内向きカルシウム電流が増大することが示された。T細胞のGolliタンパク質の一部は細胞膜に会合しており、野生型Golliタンパク質あるいはミリストイル化変異体を細胞にトランスフェクションした実験により、Golliによるカルシウム流入の阻害には膜への会合が必要であることが示された。以上より、GolliはT細胞受容体シグナル伝達の他の負の調節因子とは全く異なるメカニズムを介して、T細胞活性化の負の調節因子として作用すると著者らは結論している。

J.-M. Feng, Y. K. Hu, L.-H. Xie, C. S. Colwell, X. M. Shao, X.-P. Sun, B. Chen, H. Tang, A. T. Campagnoni, Golli protein negatively regulates store depletion-induced calcium influx in T cells. Immunity 24, 717-727 (2006). [PubMed]

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