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計算生物学:シグナル伝達ネットワークの橋を狙う

Computational Biology Target the Bridges in Signaling Networks

Editor's Choice

Sci. STKE, 8 May 2007 Vol. 2007, Issue 385, p. tw156
[DOI: 10.1126/stke.3852007tw156]

Nancy R. Gough

Science's STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : シグナル伝達ネットワークの必須成分を同定できれば、これらのネットワークにより制御されるプロセスの選択的破壊が可能になるかもしれない。Yuらは、高度に連結されているタンパク質(ハブ)と、そのタンパク質を介してネットワークを介する多くの非冗長的経路が進行する、高い「間隔度」を持つタンパク質(ボトルネック)のどちらがより重要であるのかについて決定しようとした。ハブ―ボトルネック、非ハブ―ボトルネック、ハブ―非ボトルネック、非ハブ―非ボトルネックの4種類のノードをひとつの経路において定義し、その後、シグナル伝達ネットワーク、代謝ネットワーク、タンパク質相互作用ネットワークについて解析し、どの種類のノードが各ネットワークの必須遺伝子との相関性が最も高いのかを決定した。シグナル伝達ネットワークにおいて、ハブ―ボトルネックと非ハブ―ボトルネックは必須遺伝子がコードする可能性が高かったが、ハブ―非ボトルネックは必須遺伝子がコードする可能性が低かった。したがって、シグナル伝達ネットワークに関しては、「間隔度」は連結性単独よりも必須性のより優れた指標である可能性がある。これは、おそらくシグナル伝達経路がネットワークを介する情報の流れを誘導するからであろう。非ハブ―ボトルネックノードを、タンパク質複合体を結合させるなどの「持続性」相互作用に関与するノードと、一時的なタンパク質相互作用を仲介する「一過性」のノードに分割することにより、このノードをさらに改良した。予想通り、持続性であると定義された非ハブ―ボトルネックノードは、一過性の非ハブ―ボトルネックよりも、必須遺伝子にコードされる可能性が高かった。この解析に基づき、非ハブ―ボトルネックは経路のクロストーク地点を意味する可能性があると、著者らは提案している。非ハブ―ボトルネックの例として、酵母の必須遺伝子がコードし、サイクリン依存性プロテインキナーゼ活性化キナーゼであるCak1pが挙げられている。Cak1pは細胞周期の調節と胞子形成経路という2種類のシグナル伝達経路を連結する。

H. Yu, P. M. Kim, E. Sprecher, V. Trifonov, M. Gerstein, The importance of bottlenecks in protein networks: Correlation with gene essentiality and expression dynamics. PLoS Comput. Biol. 3, e59 (2007). [PubMed]

N. R. Gough, Target the Bridges in Signaling Networks. Sci. STKE 2007, tw156 (2007).

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