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Sci. STKE, 16 October 2007 Vol. 2007, Issue 408, p. tw368
[DOI: 10.1126/stke.4082007tw368]

Elizabeth M. Adler

Science's STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA
P. Mishra, M. Socolich, M. A. Wall, J. Graves, Z. Wang, R. Ranganathan, Dynamic scaffolding in a G protein-coupled signaling system. Cell 131, 80-92 (2007). [PubMed]
C. Montell, Dynamic regulation of the INAD signaling scaffold becomes crystal clear. Cell 131, 19-21 (2007). [PubMed]

要約 : シグナル伝達経路の成分に結合して高分子複合体へと組み立てる足場タンパク質は、さまざまなシグナル伝達経路の効率、特異性、速度にとって極めて重要である。たとえば、INAD(inactivation, no after-potential D)は、その結合相手のうちの3つとともにショウジョウバエ(Drosophila)光伝達カスケードのコア複合体を構成するPDZドメイン含有足場タンパク質であるが、光に対する電気的応答にとって重要である(Montell参照)。MishraらはX線結晶解析を用い、第5のINAD PDZタンパク質相互作用ドメイン(PDZ5)は、酸化状態では典型的なリガンドとの結合とは一致しないようなひずみコンホメーションをとることを突き止めた。このコンホメーションは分子内ジスルフィド結合に依存し、還元状態ではPDZ5は他のPDZドメインと構造的に類似していた。野生型INADを発現するトランスジェニックハエにおいて、光に曝露するとジスルフィド結合(すなわち酸化構造)が形成されたが、その後暗闇に置くと還元型に回復した。ロドプシンの主要アイソフォームを欠失するハエにおいて、酸化型の形成は低下した。還元型構造のPDZ5のみが存在するINADの変異体を発現する、単離した光受容器細胞の電気生理学的解析を行ったところ、光に対する変異体の感受性は正常であったが、不応期の喪失により、明るい光への応答の終結が消失した。さらに、変異INADを有するハエは、暗所(捕食者の影に似せた)への短期曝露に対する逃避反応が欠損していた。以上より、INADはシグナル伝達タンパク質の編成において単なる受動的な機能を行うのではなく、ショウジョウバエの光伝達経路において動的役割を担うようである。

E. M. Adler, An Active Player. Sci. STKE 2007, tw368 (2007).

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