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癌治療
新しい血管新生阻害薬

Cancer Therapy A New Angiogenesis Inhibitor

Editor's Choice

Sci. STKE, 6 November 2007 Vol. 2007, Issue 411, p. tw398
[DOI: 10.1126/stke.4112007tw398]

Elizabeth M. Adler

Science's STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : 血管内皮増殖因子に対する抗体(αVEGF)は、化学療法と組み合わせて特定の癌患者に投与した場合に延命効果があるが、VEGFシグナル伝達の阻害は副作用を誘発するほかに、腫瘍における代替的な血管新生メカニズムの生成を刺激する可能性がある(Jain&Xu参照)。胎盤増殖因子(PlGF、VEGF受容体1(VEGFR-1)と結合するVEGFファミリーのメンバー)は、正常な発生や脈間構造の維持には必要ではないが、病理学的な血管新生に関与すると考えられていることに着目し、Fischerらは、PlGFに対する抗体(αPlGF)の腫瘍に対する影響について検討した。αPlGFは、マウスにおける各種腫瘍の増殖または転移、もしくはその両方を阻害し、それらの一部はVEGFRシグナル伝達の阻害に抵抗性を示した。さらに、αPlGFは化学療法薬ゲムシタビンとシクロホスファミドによる腫瘍増殖の阻害のほか、VEGFR-2に対する抗体(αVEGFR-2)の抗癌作用を増強した。αPlGFは、腫瘍の血管新生とリンパ脈管新生のほか、血管新生促進性マクロファージの腫瘍動員を阻害した。αPlGFは、αVEGFR-2によって活性化される複数の血管新生促進性遺伝子の発現を亢進できなかったほか、αVEGFR-2依存性副作用を模倣することも、増強することもできなかった。実際に、αPlGFで処理した妊娠マウスは、健康な仔マウスを出産した。以上より、著者らは、αPlGFは現在の抗癌医療に対する有用な追加手段ではないかと期待している。

C. Fischer, B. Jonckx, M. Mazzone, S. Zacchigna, S. Loges, L. Pattarini, E. Chorianopoulos, L. Liesenborghs, M. Koch, M. De Mol, M. Autiero, S. Wyns, S. Plaisance, L. Moons, N. van Rooijen, M. Giacca, J.-M. Stassen, M. Dewerchin, D. Collen, P. Carmeliet, Anti-PlGF inhibits growth of VEGF(R)-inhibitor-resistant tumors without affecting healthy vessels. Cell 131, 463-475 (2007). [PubMed]

R. K. Jain, L. Xu, αPlGF: A new kid on the antiangiogenesis block. Cell 131, 443-445 (2007). [PubMed]

E. M. Adler, A New Angiogenesis Inhibitor. Sci. STKE 2007, tw398 (2007)

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