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転写、2つでは仲間、3つでは複合体

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Transcription Two’s Company, Three’s a Complex

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Sci. STKE, 4 December 2007 Vol. 2007, Issue 415, p. tw436
[DOI: 10.1126/stke.4152007tw436]

John F. Foley

Science’s STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : 転写因子の核因子kB(NF-κB)ファミリーメンバーによる遺伝子転写の活性化は、増殖や炎症などのプロセスにとって重要である。おそらく、特徴が最も良く知られているNK-kBはp50とp65からなるヘテロダイマーであるが、その制御のいくつかの側面はまだあまり理解されていない。核抽出物由来のNF-κBの性質と組換えNF-κBの性質との差に基づき、Wanらは内因性NF-κB複合体の一部を形成する他のタンパク質を探ることにした。著者らは、タグ付加されたp65と結合した293T細胞に由来するタンパク質をアフィニティー精製して質量分析を行い、主な結合相手としてリボソームタンパク質S3(RPS3)を同定した。レポーターアッセイにより、低分子阻害(si)RNAによるRPS3のノックダウンは、ジャーカットT細胞において、T細胞受容体(TCR)促進性のNF-κB活性化を阻害することが示された。電気泳動移動度シフト解析(EMSA)により、p50、p65、RPS3を含む複合体のTCR促進性の形成が実証された。クロマチン免疫沈降(ChIP)分析により、p65の標的遺伝子への会合は、RPS3ノックダウン細胞では対照細胞と比べ大幅に減少することが示された。リアルタイム逆転写PCR分析により定量したところ、これらの遺伝子のTCR促進性の活性化も、RPS3ノックダウン細胞では対照細胞に比べ低かった。RPS3ノックダウンT細胞とp65ノックダウンT細胞とをマイクロアレイ分析により比較すると、RPS3はP65標的遺伝子のサブセットの発現に必要であることが示され、そのなかには、サイトカインであるインターロイキン-2(IL-2)をコードする遺伝子が含まれる。このことと一致して、IL-2に依存するTCR促進性の増殖は、RPS3ノックダウンT細胞において抑制された。以上の結果は、ダイマーに基づく現在のNK-kB活性モデルに対抗するものであり、RPS3が標的特異性を付与するNF-κBの必須サブユニットであることを示唆する。

F. Wan, D. E. Anderson, R. A. Barnitz, A. Snow, N. Bidere, L. Zheng, V. Hegde, L. T. Lam, L. M. Staudt, D. Levens, W. A. Deutsch, M. J. Lenardo, Ribosomal protein S3: A KH domain subunit in NF-κB complexes that mediates selective gene regulation. Cell 131, 927-939 (2007). [PubMed]

J. F. Foley, Two’s Company, Three’s a Complex. Sci. STKE 2007, tw436 (2007).

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