チャネルの会話

Channels
Channel Talk

Editor's Choice

Sci. Signal., 4 March 2008
Vol. 1, Issue 9, p. ec78
[DOI: 10.1126/stke.19ec78]

L. Bryan Ray

Science, Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : Petroffらは、細胞外プロトンに対する感受性をKチャネルにもたらす2つのイオンチャネル間の相互作用について記述している。著者らは、細胞外pHの低下に伴ってコンダクタンスが増大するNa伝導性神経チャネルである、酸感受性イオンチャネル(ASIC)について研究した。これらのチャネルは、様々な生理的および病理的過程の調節に関係している。そのNaコンダクタンスは神経を脱分極させる傾向があるようだが、マウスにおける作用の中には、このようなメカニズムによって簡単には説明できないものもある。ASICが機能する別のメカニズムを模索するうちに、著者らはこのチャネルが、Kチャネルの孔を塞ぎいでそのコンダクタンスを抑制するサソリのα-K-トキシンの一部に類似する保存配列を含むことに気づいた。実際に、ヒト胎児腎(HEK)293細胞において高コンダクタンスCa2-電位活性型(BK)Kチャネルと共にASIC 1aチャネルを発現させると、BKチャネルを通る電流が低下した。これらのタンパク質は、一方または他方のチャネルを発現している蛍光標識細胞の相互作用を促進していることから、お互いに相互作用しているようであった。プロトンの添加によってクラスター形成は抑制され、BKチャネルのコンダクタンスの抑制は解除された。ASIC 1aチャネルの機能もこの相互作用による修飾を受け、電流の振幅の低下と脱感作時間の延長が起こった。このように、関連性のない2つのチャネルが相互作用することによってチャネル活性が変化し、BKチャネルがアシドーシスに対して感受性になる。アシドーシスは、多様な病理的状態において神経の活動に伴って生じる。このメカニズムによりチャネル機能が修飾され、ASICとBKチャネルを介して膜電位に対して相反する作用がもたらされると考えられる。

E. Y. Petroff, M. P. Price, V. Snitsarev, H. Gong, V. Korovkina, F. M. Abboud, M. J. Welsh, Acid-sensing ion channels interact with and inhibit BK K+ channels. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 105, 3140-3144 (2008).[Abstract] [Full Text]

L. B. Ray, Channel Talk. Sci. Signal. 1, ec78 (2008).

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