免疫学 
内部の仕事?

Immunology
An Inside Job?

Editor's Choice

Sci. Signal., 25 March 2008
Vol. 1, Issue 12, p. ec107
[DOI: 10.1126/stke.112ec107]

Elizabeth M. Adler

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : Toll様受容体(TLR)4は、アダプタータンパク質のTIRAP-MyD88対と相互作用して炎症性サイトカインの産生を刺激し、TRAM-TRIF対と相互作用して1型インターフェロンの産生を刺激する(Watts参照)。TLR4がこれら2つのシグナル伝達経路の活性化をどのように調整しているかに注目し、Kaganらは、タグをつけたTLR4を用いて、マクロファージにおけるTLR4の局在について解析し、TLR4が細胞膜と初期エンドソームの両方に存在することを発見した。ダイナミン依存性エンドサイト−シスを阻害すると、リポ多糖(LPS)が誘導する内在性TLR4の内部移行が阻害され、転写因子IRF3のTRAM-TRIF依存性リン酸化(および標的遺伝子の発現)が阻害されたのに対して、TIRAP-MyD88に依存するp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼのリン酸化およびIκBα分解は影響を受けなかった。蛍光標識したTIRAPが細胞膜に局在したのに対して、蛍光標識したTRAMは細胞膜および初期エンドソームの両方に存在していた。TRAMの局在全般は、最初の20アミノ酸残基、すなわち以前に性質がわかっているミリストイル化モチーフ(最初の7アミノ酸残基)とそれに続く塩基性アミノ酸残基と芳香族アミノ酸残基が豊富な領域から成る二連モチーフに依存しており、ミリストイル化モチーフだけでもエンドソームへの局在に十分であった。TRAMの局在変異体を用いてLPS誘導性サイトカイン産生を解析すると、TRAM-TRIFを介するTLR4シグナル伝達がエンドソームで起こっていることが示唆された。著者らは、細胞膜から1型インターフェロン産生を刺激する既知のTLRはない(TLR4は唯一の例外であると考えられていた)と述べ、TRAF3(1型インターフェロンの産生に不可欠なアダプター)はサイトゾルにのみ局在すると決定付けた。さらに、TRAF3を細胞膜にターゲティングすると、通常はこの経路に関与していないTLR2によるインターフェロンβの誘導が可能になった。したがって、TLR4はTIRAP-MyD88シグナル伝達を細胞表面から刺激し、内部移行した時にのみTRAM-TRIFシグナル伝達を開始させると著者らは提唱している。

J. C. Kagan, T. Su, T. Horng, A. Chow, S. Akira, R. Medzhitov, TRAM couples endocytosis of Toll-like receptor 4 to the induction of interferon-β. Nat Immunol. 9, 361-368 (2008). [PubMed]
C. Watts, Location, location, location: Identifying the neighborhoods of LPS signaling. Nat Immunol. 9, 343-345 (2008). [PubMed]

E. M. Adler, An Inside Job? Sci. Signal. 1, ec107 (2008).

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